著者 : 飯塚容
中国のはなし中国のはなし
息子は父に、父は母に、母は息子に殺意を抱く。「すばらしい中国のはなしを語る」という政治キャンペーンを逆手にとり、改革開放から取り残された家族の「声」を再構成した奇妙な物語。現代中国の闇を撃ち、発禁がつづく巨匠による最新作。
文城文城
20世紀初頭の清末民初、匪賊が跋扈し自然災害が襲う混迷の時代、林祥福は、兄とともに南方の町「文城」からやって来た女・小美を妻にする。束の間の幸せが訪れたが、小美は林家の金を持ち出し姿をくらましてしまう。林祥福は生後まもない娘を連れて妻を探す旅に出るが…。人災と天災、過酷な運命に翻弄され、それでも強く生きていく人々を圧倒的筆致で描く大河巨編。
ブラインド・マッサージブラインド・マッサージ
南京のマッサージ店で働く盲目のマッサージ師たち。暗闇の中、ひと筋の光明を求め、懸命に生きる姿が胸を衝く。中国20万部ベストセラーの傑作長篇!茅盾文学賞受賞作品。
死者たちの七日間死者たちの七日間
食堂の火事で死亡した「私」は、墓地がないため火葬もされずにこの世の周縁をさまよっている。美しく聡明な最愛の元妻、都市の隙間であえぐ貧しいカップル、病院から姿を消した育ての母と27体の嬰児、そして、鉄路で拾った「私」に細やかな愛情を注いでくれた鉄道員の義父…。現代中国を生きる庶民の悲哀と懐旧と純真を、曇りなき瞳で写しとった最新長篇。
大浴女大浴女
末妹の死の残像に苛まれつつ、恋愛遍歴を重ねる尹小跳。生来の美貌を武器にのしあがろうとする唐菲。アメリカに渡って結婚。アイデンティティを見失う尹小帆。文革から開放へ。激動の時代を生きた女たちの肉体と魂の遍歴。
霊山霊山
北京からパリへと書き継がれ、7年の歳月をかけて完成。癌を宣告された男の放浪と魂の彷徨を描き、ホメロスの叙事詩に擬せられ、「東洋のオデュッセイア」と讚えられる。本書によって、中国人作家初のノーベル賞受賞となった待望の翻訳刊行。
PREV1NEXT