著者 : 飯島耕一
一万一千の鞭一万一千の鞭
「シュルレアリスム」という言葉を発明し、「エスプリ・ヌーヴォー」(新精神)という用語を先駆的に使った「若き二十世紀」の旗手アポリネールが、秘密出版した小説。愛欲とユーモアに満ち、才気に溢れたラブレー的世界を彷彿とさせる本書は、デスノスやアラゴンの絶賛を浴び、わが国では渋沢龍彦がエロティック文学の最高峰のひとつに推薦している傑作である。
虹橋虹橋
死と非愛の彼岸であるシュイサイドの夢の部屋ごもりから、漱石へ、南島へ、鮎川信夫へと震える触手を生の此岸へ架け渡す。時代の鬱屈した結節点を大正期や幕末に生きた群像へ照らして、再生の姿を変奏した短篇小説集。
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