著者 : 高斎正
筋金入りのレースマニアの西岡勝彦の許に、先輩の鎌塚俊一から突然の依頼が飛び込んできた。それは、「軽四輪耐久フェスティバル」にドライバーとして出場することであった。レースの知識を持ちながらも、ドライバーとしては素人同然の西岡は、期待と不安に戸惑いながら、鎌塚とともに会場である仙台ハイランドへ向かう。練習走行、予選-サーキットを走るにつれ、自分の走りを掴みかける西岡。そしてついに、四時間耐久決勝の瞬間が来た。書下ろし長篇カーレース・ロマン。
愛車スカイラインGTRを改造し、N1耐久レースで好成績をあげた瀬木治男・北路滋チーム。その余韻さめやらぬうちに、ビッグニュースが飛び込んできた。ニスモからグループAのトップレース・インターTEC参加の誘いを受けたのだ。スポンサーもつき、優秀なメカニック新村芳実の手によりマシンも完璧に仕上がった。再び富士スピードウェイを男達の夢が駆け抜ける。長篇カーレース小説。
愛車スカイラインGTRを優秀なメカニック・新村芳実の力を得てN1仕様に改造し、六時間耐久レースに出場した瀬木治男・北路滋チームは、好成績をあげてレースの余韻に浸っていた。その興奮冷めやらぬうちに、瀬木はニスモの高田肇の誘いで日本のトップ・ドライバーを相手にするインターTECレースに参加することを決意した。グループA仕様に改造するにはかなりの費用が必要だったが、スポンサーが現れ、金銭面もクリアに。アマチュアの夢を乗せ、富士スピードウェイを、再び瀬木・北路チームが疾駆する。
オール日本製マシーンで、日本人ドライバーで、F1に優勝したい。宇井野の遥かな夢は、マシーン設計、エンジン開発、強力スポンサー、新鋭ドライバーと、いくつもの関門を次々とクリアーして、実現の方向へ。完全車は、まずF3000を制するが、そこでアクシデント発生。果たしてF1の壁を突破できるか?
日本レース界を追放され単身イギリスへ渡った桜田は、癖の強いレーシングマシーン、アピオコリーナを駆り、ヨーロッパのF3、F3000シリーズを転戦。その特性を活かしたドライビングで頭角をあらわした。そして…。アピオコリーナの生みの親ウイリアム・マーチンの支援を受け、第一ドライバーとしてF1にステップアップ。独特の挙動を示すシャシーと市販のフォードエンジンを駆使し、上位に君臨するチームに挑むのだが…。肉体を極限まで追いつめた、精神を抑制した熱き疾りが、世界を魅了する。激闘のF1小説。長篇本格カーレース小説。
いつの日か、常温超伝導は可能になる。自動車の歴史にまったく新しい一ページが書き加えられる可能性が見えて来た。騒音と排気を出さず、地球の環境を破壊しない電気自動車の可能性が…。超伝導現象に注目したダイハツは、独自のプロジェクトチームを組織し、超伝導蓄電池を積んだ電気自動車の開発にあたっていた。折しも開催された全行程一万八千キロ、スペシャルステージ二千キロのパリ-北京ラリー。人類と地球を愛する人々の夢は、技術の壁を突き破れるのか…。長篇カーノベル。
長期間、レース界から遠ざかっていたトヨタは遂にレース復帰を決意した。世界のビッグメーカーにのしあがったトヨタだが、なぜか技術面の評価は低く、新たな世界戦略に総力を結集することになったのだ。北米でのカンナム・シリーズ、常勝ポルシェ、マクラーレンに対抗するのは、10年前、悲運にもデモ走行だけに終ったトヨタ7にターボを積載したニューマシーンだった…。長篇本格カーレース小説第5弾!