著者 : 高橋正雄
アブサロム、アブサロム!(下)アブサロム、アブサロム!(下)
少年時代に受けた屈辱により、南部で人間として認められるには「土地と黒人と立派な家」を持たなければならないと思い知らされたサトペンは、その野望の達成に向けて邁進する。しかし最初の妻に黒人の血が混じっていることを知って捨てた報いにより、築き上げた家庭は内部から崩壊していく。小説表現の限界に挑みながら二十世紀文学の最先端を歩み続けたフォークナーの渾身の大作。
アブサロム、アブサロム!(上)アブサロム、アブサロム!(上)
南北戦争が始まる頃、ヨクナパトーファ郡ジェファソンに飄然と現れた得体の知れない男トマス・サトペンは、インディアンから百平方マイルの土地を手に入れ、大いなる家系を創始するべく、町の商人コールドフィールドの娘と結婚する。サトペン家の興隆と崩壊を物語りつつ、アメリカ南部の過去と現在の宿命的な交わりを描いた迫力ある長篇。
響きと怒り響きと怒り
アメリカ南部の名門コンプソン家が、古い伝統と因襲のなかで没落してゆく姿を、生命感あふれる文体と斬新な手法で描いた、連作「ヨクナパトーファ・サーガ」中の最高傑作。ノーベル賞作家フォークナーが“自分の臓腑をすっかり書きこんだ”この作品は、アメリカのみならず、二十世紀の世界文学にはかり知れない影響を与えた。
エミリーに薔薇をエミリーに薔薇を
心を病んだ一人の女の愛する男への妄執を、ゴシック小説仕立ての怪奇・スリル・サスペンスで描き出した表題作「エミリーに薔薇」他7篇を収録。「アザサロム、アブサロム!」「響きと怒り」など、難解をもって鳴る17の長篇が築く険阻な大連峰を踏破する第一歩として、必読の短篇集。
PREV1NEXT