著者 : 高橋茅香子
空高く空高く
イタリア系移民の父が興した造園業を息子にゆずり、軽飛行機三昧の日々を送る主人公。幼い二人の子を遺し、韓国系の妻が自殺めいた死に方をしてから四半世紀。地上半マイルから見下ろすと、すべての憂さが消えてしまうようだ。-だが、母を喪った子どもたちを育ててくれた長年の恋人は去り、老いて施設に暮らす父はいよいよ衰え、結婚を控えた娘は、重い病に襲われる。愛する者を半ば遠ざけるようにして生きてきた男に、決断のときが迫ってくる。全米期待のコリアン・アメリカン作家による、三代に亘るカンバセイション・ピース。
メリディアンメリディアン
17歳で子供を産み、しかもすでに夫に置き去りにされていたメリディアンが、もっと広い世界と過去と現在を意識しはじめたのは1960年4月半ばのある日のことだった。黒人運動にかかわり、世の中の矛盾に苦悩し、挫折しながらも選挙権啓蒙運動を続けたのは、曽母や母に流れる黒人民族の歴史の重さ故であった。“カラーパープル”の著者による自伝的長篇小説。
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