小説むすび | 著者 : 高津典昭

崩壊する家庭から逃げるように東京にやってきた少女・恵理。出逢いと別れ、社会の厳しさに翻弄されながらも、懸命に新たな日々と向き合っていくがー。運命の過酷さと家族の慈愛が胸を打つ長編小説。

「おじさん。ごめんね。私の分まで幸せになって」女性とは無縁でさえない生活を走っていた中年男・高津の前に現れたのは、２１歳の美女・華奈。高津の人生が輝き始めたその時、惹かれあう２人の間に悲惨な現実が待ち受ける。表題作「花とおじさん」ほか、親子の絆を感動的に描いた「よいとまけな母ちゃんへ」愉快でコミカルなサスペンスの「北海の大地にて女のロマンを追え」３作品を収録。懐かしのあの時代の雰囲気がよみがえる短編小説集。