著者 : 高里椎奈
同日同時刻に、同じ人間が存在していたーー!? ドッペルゲンガー騒動に加えて、死んだはずの人間が目撃される不可解な事件も発生し……。「薬屋探偵」たちは、謎を解明して真相に辿り着けるのか?
衣更月が使用人部屋の空室を掃除していると、抽斗の奥に隠すように仕舞われた日記を見つける。かなり埃が詰まっているので花穎の物ではないだろう。烏丸家の家令・鳳が日記を開くとそこには『一月七日 私との婚約が原因で、真一郎さんと鳳さんが口論した』と書かれていた…。一方、花穎は久丞家の壱葉がヴォルコフ家のカサンドラに絶縁状を叩き付けたと聞き、事情を聞くことになったのだがー。大人気上流階級ミステリ第8弾!
綾瀬の入院中に彼女の高校で起きた連続落書き事件。犯人だと疑われているクラスメイトから助けを求められた綾瀬は、花穎と石漱にアドバイスを求める。綾瀬のために調査に乗り出す2人だが、花穎は福入という美術教師から、「七束琳という親戚はいないか」と尋ねられる。それは今は亡き花穎の母の名前だった。一方衣更月は、絵画のすりかえ騒動の調査中に「七束琳」という名を目にし…!?大人気上流階級ミステリ第7弾!
父の引退宣言を受けて、十八歳で第二十七代烏丸家当主を継いだ花穎。しかし信頼する執事・鳳の後任である衣更月は、花穎を当主とは認めておらず主従関係はぎくしゃくしていた。そんな中、トラブル発生のため父の代理として花穎が歌会に出席することに!海外生活の長さから和歌を詠むことへの不安を吐露する花穎に、衣更月は歌会の辞退を提案するがー!?不本意主従コンビが贈る上流階級ミステリシリーズ、待望の番外編!
「理想の当主になって頂きたいとは思わない」という衣更月の一言から、自分が“顔のない後継者”だと思い悩む花頴。一方でぎこちない主人の様子に疑問を抱いていた衣更月は、ある人物の指摘で自らの発言が誤解を生んでしまったことに気づく。そんな中、招かれた狩猟会で、花頴は臨時雇いの天草揚羽と再会。衣更月が不在の場面で、ふたたび烏丸家に揚羽の魔の手が迫るー。完璧執事の仮面崩壊!?大人気上流階級ミステリ!
父の代理で壱葉と宇宙居住モジュールの見学に訪れた花穎。3人目の見学客としてやってきたのは、イリヤと従者の不知火だった。思わぬ再会に衣更月との確執を気にする花穎だが、トラブルのせいで不知火と2人きりで密室に閉じ込められてしまう。一方で衣更月はある決断を下し、「私は花穎様に理想の当主になって頂きたいとは最早、思っておりません」と花穎に告げるが…!?それぞれの理想がすれ違う、大人気上流階級ミステリ!
烏丸家売却騒動が決着して以来、様子の奇妙しい衣更月のことが気になる花穎。そんな中、訪問先の植物園でトラブルが発生する。いつものように好奇心から首を突っ込みかけた花穎に、衣更月が放ったのは普段の彼らしからぬ言葉だった。「原因が解明されれば、花穎様の憂いは取り除かれますか?」訝しむ花穎をよそに、原因究明に励む衣更月の本心とはー?完璧執事に異変発生!?大人気上流階級ミステリ、進化の第4弾!
満員御礼の土曜日。黒音幸多が働く「奥田映写館」で事件は起きた!話題作が上映をはじめた直後の劇場で、爆笑の声が響き渡る。おかしい、コメディ映画ではないはずなのに、なぜ…?「字幕が盗まれる」というありえない事態に、払い戻しを求める客で大混乱する中、居合わせた常連客の“先生”こと雪穂史郎は、黒音を巻きこみ頼まれてもいない字幕泥棒さがしをはじめる…。
フランスにある烏丸家の別荘に集った6人の使用人。かつて烏丸家で代理執事を務めたヴァズの発案で各家の使用人同士の技術交流が行われる最中、何者かが地下金庫に侵入。犯人を袋小路に追い詰めたものの、そこにいたのは衣更月以外の5人の使用人たちだった。金庫破りを目論んだのは誰か。そのうえ帰国した花穎に飛び込んできた烏丸家売却のニュース。すべてを失った花穎に衣更月は「私は烏丸家の執事です」と言い放ちー!?
夏休みが明けて、衣更月の静かな反対を押し切って博術館実習に出かけた花穎。ところが訪問先の学芸員から「立場を考えるべきだ」と痛烈な批判をくらってしまう。そんな中、美術館に展示されていた真作が偽物とすり替えられたことに気づき、花穎は真相究明に乗り出すが…。当主として招かれた晩餐会でも毒殺未遂事件に遭遇するなど、公私ともにトラブル続きのせいで若き主従関係にも異変発生!?大人気上流階級ミステリ!
新月の夜。高校へ忘れ物を取りに戻った火野弥嵩は、突然身体のない“足”に襲われる!逃げる弥嵩の前に“幻想風紀委員会”と名乗る二人ー陽気な倉岡と生真面目な稲葉が現れた。彼らは怪異を起こすほど歪んでしまった『物語』と現実の境界を正すのが役割だという。“足”の正体を探るべく、二人に協力することになった弥嵩だが…!?
雨降る冬の夜、「深山木薬店」の店主・秋が何者かによってさらわれた。空っぽの部屋に残されていたのは、不可思議な一枚のメモ。『鵺は始まり。十六時間が区切り、災厄は一つ。四つ数えるまでに、交換だ』脅迫文とも思われるこのメッセージが示唆するものとは?リベザルは、秘密を胸に懸命の捜索を開始する。
「深山木薬店」を訪れた「潤」と名乗る依頼人は、七年ぶりに再会した従姉の音乎をめぐる奇妙な相談を薬屋探偵に持ちかける。二度と彼女に会えないと思っていた潤は喜びながらも戸惑いを隠せなかったという。音乎はもうこの世にいないはず。目の前の人物は誰なのか!?記憶がリセットされたように同じ思い出話を語る「一日を繰り返す死者」の謎に迫るたび、封じられた過去が明かされる。
烏丸家当主を継いで一年以上が過ぎ、執事の衣更月と衝突しながらも奮闘する花穎。大学が夏休みに入り仕事の傍ら、石漱棗の誘いを受けて彼の地元を訪ねることに。友人宅でお泊まりという人生初めてのイベントに心躍る花穎だが、道中トラブルに巻き込まれてしまい…!?一方で同行を許されない衣更月は、主人を守るために取るべき行動の限度について悩んでいた。若き当主と新米執事、不本意コンビが織りなす上流階級ミステリ!
思慮深そうな眼差しに、冷静な物言い。三つ揃いのスーツを着こなして、泰然と構える佇まいは紛れもなく名探偵だ。雰囲気だけはー。鬼鶇探偵社の経理にして相棒の佐々は、彼が謎を解くところを見たことがない。「推理する気はあるのか!?」ヤキモキする佐々を横目に、しかし事件はなぜか鬼鶇の目の前で解決する!
千鳥と鶫、鳶の変わり者研究者たち三人が、この世界の禁忌『封じられた過去』へ近づくほどに、周囲で発生する不穏な事件。“遺跡を暴くと呪われる”という言葉をなぞるように、考古学研究所の発掘作業中に一人の人物が忽然と姿を消し、さらに鳶には密売容疑がかけられる。友人の嫌疑を晴らすため、千鳥たちは危険な捜査に乗り出すが…。世界の真実が明かされるシリーズ第三弾!
「何故、衣更月を執事にしたと思う?」真一郎から衣更月に投げられたひとつの問いかけ。答えを見つけられず過ごす中、従者のいる上流階級の人間が狙われる連続暴行事件が発生する。襲われた人間は共通して犯人に、誰かの為に死ねるか、と質問されていた。当主を守るために護衛を買って出る衣更月だが、突然花穎から執事の任を解くと言われてしまい…!?正しき主従のあり方とは何かーシリーズ最大の危機が迫る第9巻!
一ノ宮家からの招待を受け、衣更月をつれて当主として初めての旅行に出かけた花頴。楽しいひと時を過ごしていたのも束の間、別荘の一室で火事が起きてしまい、偶然居合わせた赤目の別荘に避難することに。赤目家のもてなしを受けて心が上向いていく花頴だったが、火事が偶然の事故ではなく屋敷内の何者かによる放火だと判明し…!?誰が、なんのために事件を起こしたのか。主従の絆が試される、上流階級ミステリー第8弾!
誰もが認める烏丸家の当主になるべく決意も新たに迎えた2回目の春。大学進学の準備を整えていた花穎に、忠実なる執事・衣更月から驚くべき相談がもたらされる。それは「通常業務から離れたい」というものだった。代理としてやってきたヴァズは、衣更月のバトラー養成学校の同期で穏やかな青年だった。ところがその夜、ヴァズが何者かに襲われる事件が発生し…!?半熟主従に新たな試練?新章突入の上流階級ミステリー!