著者 : 鮎川哲也
鮎川哲也が推理雑誌に発表した短編“死者を笞打て”に盗作の疑いがかかった!?十年ほど前に石本峯子なる作家が書いた“未完の手記”と内容が同じだと批評家から指摘を受けたのだ。早速、新聞社が取材に訪れ、出版社からは刊行中止の連絡があった。作家生命の危機にさらされた鮎川は、自ら真相究明に乗り出したが…。巨匠の異色作に加え、激レアな短編も併録!
少年探偵の活躍を描く“一夫と豪助の事件簿”全十八話を雑誌連載当時の単語穴埋め問題部分も再現しつつ完全収録!傑作中編「悪魔博士」のほか、「白鳥号の悲劇」や「黄色い切手」など単行本未収録の少年ミステリを一挙集成!巻末には麻耶雄嵩氏の書下ろしエッセイを特別収録。
跳梁跋扈する怪人たちに挑む正義の徒。知恵比べに勝つのは善か、それとも悪か?誰もが熱狂した妖しくも魅力的な探偵小説の世界。その興奮が色鮮やかに甦る。未刊行の中編「冷凍人間」「透明人間」「片目の道化師」に加え、少年ミステリの第一作「魔人鋼鉄仮面」(未完)を初単行本化!
軽井沢の豪奢な別荘「白樺荘」に、莫大な遺産を相続することになった四人の男女が集まった。だが、生憎の悪天候で雪が降りしきり、別荘は外とは連絡が取れない孤立状態になっていた。そこで、一人、また一人と殺人鬼の毒牙にかかって相続人が死んでいく…。本格推理の巨匠が描いた密室殺人。発表から六十年近い年月を経て、初めて文庫化される幻の長編!
鮎哲の『黒いトランク』や清張の『点と線』の中で、刑事たちは長距離列車に乗って遥かな地へ捜査の旅に赴いていた。その後、交通機関や通信手段の発達で犯罪捜査は大きく変わったが、鉄道の特殊な空間はミステリーの恰好の舞台であり、人々の旅への郷愁はいささかも変わらない。本書はヴァラエティにとんだ名探偵たちの鉄道の旅を八編収録した傑作集!
リラ荘を七人の芸大生が訪れた翌日から、殺人鬼の活動は始まった。老人が殺され、死体の横には学生のコートと、スペードのAが。それを機に別荘で次々と起こる殺人、凶悪無残な殺人鬼の正体とは?
トップ屋集団「メトロ取材グループ」の杉田兼助は、同僚の高森映子とともに銀座のキャバレーで取材をするが、協力した映子の友人のホステスが屍体となって発見された。警察の自殺判定に納得がいかない映子は独自に調べ始めるが、彼女も殺害されてしまうー。本格ミステリ界巨匠の異色作品。読み継がれるミステリファン必読の短編「達也が嗤う」を特別収録。
人気推理作家の夫・浪江譲二から、愛人が妊娠したことを喜びとともに知らされた妻・多鶴子。憎しみは殺意へと変わり、夫の殺害を決意する。完全犯罪を企てたが…(「小さな孔」)。傑作ミステリー6編と、文庫未収録の「ライバル」「夜の演出」の2編を収録。
不可能犯罪に挑戦する鬼貫警部の名推理!本格ミステリの名手・鮎川哲也の初期傑作短篇集!「楡の木荘の殺人」「碑文谷事件」等、全8篇!幻の「人それを情死と呼ぶ」中篇バージョンを特別収録。
難攻不落のアリバイトリックは崩れるか?鬼貫警部が活躍する本格短篇を全3巻に完全収録!江戸川乱歩絶賛の傑作「五つの時計」他、全12篇!「死のある風景」と「偽りの墳墓」の原型版も特別収録。
名アンソロジストとして数々の怪奇小説集を編纂してきた鮎川哲也と、本格ミステリ作家としての作風とは対照的に、熱狂的な怪奇幻想小説のマニアである芦辺拓の二人が、自信を持って選び抜いた幻の怪奇探偵小説傑作集!染色体を改良して食用蛙の巨大化を計る老科学者の、隠された恐るべき企みとは?マッド・サイエンティストテーマの怪作「人喰い蝦蟇」や、戦時中に海の藻屑と消えたはずの妻が、魚の姿になって夜ごと夢枕に現れる鷲尾三郎の名作「魚臭」の他、鮎川哲也自身の珍しい怪獣小説「怪虫」を特別収録。
いま甦る本格推理小説のスタンダード!本格ミステリ界の重鎮・鮎川哲也の代表的傑作集!『赤い密室』には、名作『りら荘事件』の原形として名のみ伝わる幻の初期中篇「呪縛再現」を特別収録!他に、殺人現場から逃走したピエロがトンネルの中で消失してしまう「道化師の檻」、鍵の掛った浴室でストリッパーの死体が発見される「黄色い悪魔」等、全6篇。
秩父の山荘に7人の芸術大学生が滞在した日から、次々発生する恐怖の殺人劇!最初の被害者は地元民で、死体の傍らにトランプの“スペードのA”が意味ありげに置かれる。第2の犠牲者は学生の1人だった。当然の如くスペードの2が……。奇怪な連続殺人を、名探偵星影竜三はどう解く?巨匠の本格傑作。
13+1編の珠玉短編と13本の絶品エッセイ。しかも全編書き下ろしというスーパー・オリジナル・アンソロジー。カラー版で初公開、小栗虫太郎『黒死館殺人事件』創作メモ。
声楽家で野性的な美貌を誇る妻と、その伴奏ピアニストをつとめる風采のあがらぬ夫。この音楽家夫妻に生じた愛情の亀裂を発端に殺人事件が発生、しかも犯人は第二の殺人を予告してきた。捜査線上に最後まで残った容疑者には不動のアリバイがある。主任警部の鬼貫は単身蔵王へ飛んだ…。本格の雄が壮大なトリックで挑戦。