著者 : 鳥井加南子
バレエ教師の美土里の前に突然刑事と名乗る男が現れた。恋人の数馬が、自宅で血まみれで発見され、直後に消えた、という。数馬の行方を追う美土里は、やがて数馬を追う危険な男たちの存在に気づく。数馬が関わった事件とは?数馬の行方は?そしてその生死は?事件の謎を解くカギは、一つのパソコンゲームの中に-。コンピュータ、ゲーム、ハッカーなどデジタルテクノの世界を情感豊かに描く。
地主の家に不幸が続き、被葬者の崇りを恐れて発掘が中断されている古墳がある。考古学者のトオルは、新たな発掘許可を得るため地主の古森家を訪ねた。失踪中の当主の妻静花は、許可すべきか悩む。なぜなら、十年前に自分の手で殺した夫と息子の死体を古墳の中に隠しているからで…。
美砂子は男に抱かれるたびに変貌して、魔性の女となってしまう。自分の前世にさかのぼるため、彼女は霊能者を訪ねた。婚礼の夜、無頼漢に犯され、斬殺された江戸時代の娘、美津との関係は?男に裏切られ男を呪ってさまよう平安時代の佐古姫の哀しい秘密とは?愛の亡霊を描く書下ろし恋愛伝奇ミステリー。
えっ、あたしのパソコンに電子メールの脅迫状!数美は主婦一年生。予想外に忙しい夫の帰宅を待つ暇つぶしにと、押入れでホコリをかぶっていたパソコンをひっぱりだし、苦闘半年、いまではパソコン通信に夢中。が、夫の出張中、ある日とつぜん舞いこんだ正体不明の脅迫状をきっかけに、思わぬ事件に巻きこまれてゆく。ユーモラスなタッチで描く、素人パソコン探偵のドタバタ推理。
成城学園に住む28歳の美貌の社長夫人は秘密の共有者である小杉安雄殺害の記事を見て茫然とした。小杉は新・新宗教「月霊教会」の代表役員で、事件当夜、現場に現われたという教祖「月霊様」の正体と消えた1億円の行方を唯一人知っていたはずなのだが…。社長夫人であり教祖である女の謎の正体を追う。
岐阜県王御滝郡神守地区、禁男の山中で坐女が生んだ女の子は、民俗学研究の学生が連れていったという。そのとき、村の男が殺され、坐女は殺人犯として服役する。村人たちは「イチミコサマの呪い」と呟くのみであった。そして23年後、再び山中で謎の殺人事件が起きた!江戸川乱歩賞の話題作。