小説むすび | 著者 : 鴻巣友季子

著者 : 鴻巣友季子

語りなおしシェイクスピア 1 テンペスト 獄中シェイクスピア劇団語りなおしシェイクスピア 1 テンペスト 獄中シェイクスピア劇団

世界のベストセラー作家が、シェイクスピアの名作を語りなおすシリーズ第一弾。 M・アトウッドによって、傑作『テンペスト』が現代に蘇る! 『テンペスト』の演出に心血を注いでいた舞台芸術監督フェリックスは、ある日突然、部下トニーの裏切りにより職を奪われた。失意のどん底で復讐を誓った彼は、刑務所の更生プログラムの講師となり、服役中の個性的なメンバーに、シェイクスピア劇を指導することに。 12年後、ついに好機が到来する。大臣にまで出世したトニーら一行が、視察に来るというのだ。披露する演目はもちろん『テンペスト』。フェリックスの復讐劇の行方は!? --天才シェイクスピアと現代文学界の魔女アトウッドの才気が迸る、奇跡のような物語の誕生! 【著者略歴】 マーガレット・アトウッド カナダを代表する作家・詩人。その著作は小説、詩集、評論、児童書、ノンフィクションなど多岐にわたって60点以上にのぼり、世界35か国以上で翻訳されている。1939年カナダのオタワ生まれ。トロント大学、ハーバード大学大学院で英文学を学んだ後、カナダ各地の大学で教鞭を執る。1966年に詩集「The Circle Game」でデビューし、カナダ総督文学賞を受賞。1985年に発表した『侍女の物語』は世界的ベストセラーとなり、アーサー・C・クラーク賞と二度目のカナダ総督文学賞を受賞。1996年に『またの名をグレイス』でギラー賞、2000年には『昏き目の暗殺者』でブッカー賞、ハメット賞を受賞。2016年に詩人としてストルガ詩の夕べ金冠賞を受賞。そして2019年、「The Testaments」で2度目のブッカー賞を受賞した。トロント在住。 【訳者略歴】 鴻巣友季子(こうのす・ゆきこ) 翻訳家・文芸評論家。1963年東京生まれ。訳書『恥辱』『イエスの幼子時代』『イエスの学校時代』J・M・クッツェー、『昏き目の暗殺者』M・アトウッド(すべて早川書房)、『嵐が丘』E・ブロンテ、『風と共に去りぬ』M・ミッチェル(ともに新潮文庫)、「灯台へ」V・ウルフ(河出書房新社 世界文学全集2-1収録)など多数。編書に『E・A・ポー ポケットマスターピース』(共編、集英社文庫ヘリテージシリーズ)など。『全身翻訳家』(ちくま文庫)、『翻訳ってなんだろう?』(ちくまプリマー新書)、『謎とき「風と共に去りぬ」』(新潮選書)ほか、翻訳に関する著作も多数。 【原書】HAG-SEED

エリザベス・コステロエリザベス・コステロ

文学の本質を探求する作家の業を描き、欧米の読書界騒然、ノーベル賞作家の問題作。オーストラリア生まれのエリザベス・コステロは、『ユリシーズ』に着想を得た『エクルズ通りの家』で世界的に知られる作家だ。六十も半ばを過ぎてなお、彼女は先鋭的な発言をし、行く先々で物議を醸す。ある文学賞授賞式のためにはるばる渡米したときは、スピーチやインタビューで棘のある言葉を吐き、付き添い役の息子とも意見を闘わせる。また文学講師を務める世界周遊の船では、旧知の作家と再会しても、彼の作家としての姿勢、文学論に異論を唱えてしまう。人道活動家の姉ブランチが住むアフリカでは神と文学まで話が及び、さらに神話やエロスについて考察を深める。文学シンポジウムに出向けば、批判的に取り上げようとした作家本人が出席することが判明し、角を立てまいとスピーチを書き直すべく徹夜するはめに…。『恥辱』で二度目のブッカー賞を受賞した著者が、架空の作家エリザベス・コステロを通して小説とは何か、作家とは人間とは何かを問う、審判の書。

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP