著者 : 麦田あかり
アビーは有名な大富豪ジェイクの邸宅で、家政婦をしている。学歴もなんの資格もない私に、彼は仕事をくれた。雇い主がぶっきらぼうでも、アビーは熱心に働いて感謝を示した。ある日、ジェイクに一緒に外出しようと誘われてから、二人の距離はみるみる近くなり、アビーは彼に身を任せてしまう。ただし、ジェイクは「僕に恋はするな」と何度も警告した。そのたび、アビーはほろ苦い気持ちで「大丈夫」と繰り返した。だがピルをのみ忘れたと気づいたとき、彼女はパニックに陥った。彼の子供は欲しい。問題は私の体では赤ん坊が育たないこと…。
家政婦のタラは、億万長者ルーカスの屋敷で6年間働いてきたが、立場をわきまえろと言われて衝撃を受け、辞めたいと申し出た。うぶで冴えない私は、彼にとって価値のない人間だったのだ。ところが、ルーカスは彼女を辞めさせまいとしてなのか、恋人に向けるような熱いまなざしを急に注ぐようになった。その魅力に負けて、嵐の夜、タラは彼にバージンを捧げてしまう。それでも元主人への恋心は封じ、屋敷を去る…つもりでいた。頻繁に吐き気に襲われ、ルーカスの子を授かったと気づくまでは。だが妊娠を伝えようとしたとき、彼に別の女性がいるのを知る。
王子様に憧れても、奇跡は起こらない。 シンデレラになれるのは物語の中だけ。 ジョージーナが田舎からはるばるロンドンへ出てきたのは、 億万長者マティアスに恋人のふりをしてほしいと頼むためだった。 昔から親しい、心臓の悪い彼の母の望みをかなえたかったのだ。 ただし、マティアスはどんな女性も虜にするプレイボーイだが、 地味なジョージーナはどんな男性の注目も集めたことがなかった。 だから、彼が予想に反して恋人役を承知すると心配になった。 マティアスが買ってくれた、驚くほど高価な服を着ていても、 私は彼の好みのブロンド美人とは違いすぎる。それに……。 あきらめたはずの恋心がよみがえるのは、なんて残酷で苦しいの。 生まじめで恋に臆病なヒロインで読者の心をつかんできたC・ウィリアムズ。今回のヒロインはなかでも特に魅力的で、うっとりするほどハンサムなヒーローへの想いを“私ではつり合わない”と胸に封じつつ、惹かれずにいられない細かな心の動きは必読です!
愛を求めて、バレリーナは踊る。 我が子に家族と幸せをあげたくて。 怪我をしたバレリーナ、ルビーがバレエ団から命じられた仕事は、 大事な支援者、大富豪マッテオの案内役だった。 銀行家で、プレイボーイとしても有名な彼の魅力にあらがえず、 ルビーは一夜をともにした。数週間後、身ごもるとも思わず。 私は親に愛されずに育ったけれど、この子に同じ思いはさせない。 彼女はマッテオに伝えるため、貯金をはたいて飛行機に乗った。 だがパーティを開いていた彼は、ルビーを見るなり顔色を変え、 人目に触れないように別の部屋に追いたてて姿を消した。 これは厄介払いということ? 彼女は人知れず泣いた。 卓越した筆力を持つ、ベラ・フランセスの邦訳デビュー作をお届けします。寂しい白鳥ーー孤独なヒロインはバレエに人生を捧げていましたが、ヒーローとの間に新しい命を授かったとき、ある真実に気づきます。孤独を癒やせるのは愛だけなのだと……。
早くに両親を亡くし、叔母に引き取られた看護師見習いのアラベラは、叔母の娘で看護師のヒラリーと一緒に育った。美人でわがままな従姉とはちがい、平凡な顔立ちで控えめなアラベラ。そんな彼女がある日、気の進まないヒラリーに代わって、小児患者につき添い、オランダへの旅行に出た。だが楽しい旅は一転、運転手が心臓発作を起こし、バスが横転してしまう。幸い彼女にけがはなく、助けに来たハンサムなオランダ人医師ギデオンが怖がる子供たちをなだめる様子に心動かされ、胸がときめいた。その瞬間、ずっと比べられてきた美しい従姉の顔が脳裏をよぎったー私なんて恋をするだけ無駄よ。たとえ彼に運命を感じているとしても。実らぬ恋とわかっているのに、募る想い。しかも運悪く、ロンドンまで送ってくれた彼が美人の従姉とでくわしてしまい…。野の花のように可憐なヒロインと、年上のドクターとのピュアな恋。
親の名も知らない、石ころ同然の私が、 国王の花嫁というまばゆい宝石に? 婚礼という喜ばしい日に、宮殿のメイドであるニーシャは、 恐怖と涙で顔をぐしゃぐしゃにしていた。 目の前にはずっと敬愛してきた、国王ズファールがいる。 本来なら、国王の花嫁のお古を着る価値もない私に、 姿を消した彼女の婚礼のドレスを着て、結婚式に出ろですって? 命令には逆らえず、ニーシャはなんとか身代わり役を務めた。 しかし夜になっても、ズファールは彼女をメイドに戻さなかった。 そして、震えるニーシャを新婚初夜のベッドに呼び寄せ、 有無を言わせず結婚を命じたように、世継ぎを産むよう命じた! T・パミー作、R-3404『授かったのは、王家の秘密』の関連作をお届けします。前作のヒロインが結婚式から逃げ出したために、雲の上の存在だった王の妻となったヒロイン。王家を舞台とした、作家競作の一大シンデレラストーリーです。次の関連作もお楽しみに!
嘘の上に築かれた幸せ。 それでも私は愛することしかできない。 その日、スカイエは10カラットのダイヤの結婚指輪をはずした。 イタリア人富豪マッテオに熱烈に求愛され、結婚したのに、 二人の薔薇色の日々は1カ月しか続かなかった。 マッテオは最初から、妻を愛してはいなかったからだ。 その証拠に彼はすんなり離婚に応じ、スカイエをさらに傷つけた。 でも、いちばんの秘密は守れた。安心した直後、彼女は気を失う。 スカイエを助け、病院に運んだのはマッテオだった。 しかし意識が戻った彼女が見た、夫の表情はひどく険悪だった。 「おなかの子は渡さない」そして、彼は離婚の書類を破り捨てた! 幼くして両親を失い、ずっと孤独だったヒロイン。生まれてくる子に同じ思いをさせないため、愛する夫に愛されない日々に耐える決意をしますが、ベネチアには幸せだったころの思い出がありすぎて……。HQロマンス期待の星、C・コネリーのデビュー作です!
昨年失恋してから、助産師のフローは男性とつき合わないと決めていた。しかし放蕩者として噂の王子、ハジーンの魅力には逆らえなかった。きらびやかな流行の店で、彼がフローだけに目をとめたからだ。豪勢なベッドで朝まで過ごしたときは、彼こそ運命の人だと実感した。正直でいようと、彼女は告白した。「あなたが王子だと知っている」と。するとハジーンは、金めあてと罵り、彼女を置き去りにして出ていった。とりつく島もない彼の態度に、フローは涙がかれるまで泣いた。そんな惨めな彼女を待っていたのは、親友の結婚式への招待だったー相手はハジーンの兄。弟であるハジーンも必ずや出席するはずだ。想いを踏みにじられたばかりなのに、淡い望みを抑えきれず…。
“国王は愛する女性との結婚を決めた” その嘘が本当なら、どんなにいいか。 この数カ月、ソフィアはアカシニアのプリンスであるニックと、 手放しでは喜べない関係にあった。彼の秘密の恋人だったのだ。 しかし決して本気にならない、というルールを守れなくなり、 彼女は別れを決意する。心がちぎれるほどつらくても。 けれどその後、ソフィアは赤ちゃんができたことに気づいた。 この子は必ず産むけれど、大きな問題が1つある。 ニックは今やアカシニアの国王で、伯爵令嬢と婚約しているのだ。 ところが悩むソフィアの前に、怒り心頭のニックが現れる。 そして彼と結婚しなければ、子供は取りあげると脅してきた! 王の世継ぎを身ごもったため、ヒロインはヒーローがおさめる国へ連れ去られ、結婚を迫られます。しかしロマンチックなロイヤルウエディングどころか、計画的な妊娠だったのではと彼女は王から疑われつづけ、とうとうパニック発作を起こしてしまいます……。
「君には1カ月、僕の愛人になってもらう」 それが結婚記念日の、夫の贈り物だとは! けたはずれに裕福で、誰もが振り返るハンサム。 大富豪の実業家マラカイは、アディーが5年間別居している夫だ。 結婚記念日の日、彼女はそのマラカイの前で怒りに震えていた。 妻の義務として、僕とベッドへ行ってもらいたい、ですって? たしかに、私は結婚式の直後、花婿から逃げ出した。 彼が私を妻にしたのは、ビジネス上の戦略だと知ったからだ。 私の慈善活動への支援を打ち切るのは、有無を言わせないため? 疎遠な妻は、愛人へ格下げにされてもしかたないの? だが夫との再会を、アディーの無垢な体は熱く意識していて……。 実力派の新作家ルイーズ・フラーの初邦訳作品をお届けします。結婚式当日に、実はヒーローに利用されていたことに気づいたヒロイン。さらに夫は愛人になれという残酷な要求をしてきて、ヒロインはなんとも皮肉なハネムーンへ行くしかなくなるのでした。
花嫁の私に向ける花婿のまなざしから、 さげすみを感じるのはどうして? これは運命? それとも、なにかのたくらみ? フィレンツェの大富豪リオとの再会に、エリーは我が目を疑った。 地味でなんのおもしろみもない私に、彼はわざわざ会いに来たの? そう思うと、エリーは惹かれる気持ちをとめられなかった。 だから、思いきって大切にしてきたバージンを捧げた。 しかし無垢だと知ったリオは激高し、彼女は衝撃を受ける。 災難にでもあったような口調で、彼はエリーをさらに追いつめた。 “金めあての女でも、妊娠しているかもしれないから結婚はする。 だが、赤ん坊ができていなければ離婚だ”と言って……。 〈三姉妹はシンデレラ〉、3部作の2作目は次女エリーの物語です。本当は純朴な彼女の臆病な初恋は、疑い深いプレイボーイの氷の心をとかせるでしょうか? 長年、行方知れずだった三女ルーシーの物語、最終作『愛に屈したギリシア富豪』もどうぞお楽しみに!
罰と知りつつ、彼女は結婚を受け入れた。 ただ、彼に愛されたい一心で。 両親を亡くし、住む家を失ったサラにとって、 自分を受け入れてくれた祖母は、なによりも大切な存在だった。 だから、心臓が悪い祖母のためと言われると、 大富豪ルークとの結婚を断る理由が見つからなかった。 彼は、亡き妻の肉親である私の祖母を安心させたいだけ。 しかも継妹の嘘を信じ、私を財産めあての女と思っている。 つまりルークは私に、妻という罰を与えるつもりなのだ。 けれど前に彼からされた、熱く強引なキスの記憶がよみがえると、 無垢なサラの胸は、おびえつつも小さくときめくのだった……。 どういう運命のいたずらか、真実の愛にあこがれる純真なヒロインが初めて恋い焦がれたのは、彼女を誰よりも嫌うヒーローでした。夫となってからも、彼は妻をベッドでは求めながらも、しいたげるのをやめません。ロマンスの女王の実力が冴えわたる作品です!
土曜日、ローズマリーは朝から不安だった。兄夫婦の死後、彼女が育てている3歳の甥を引き取りたいと、義理の姉の兄ニコラスが突然、連絡してきたのだ。葬儀にも顔を見せなかった人がどうして?石油王として知られる億万長者の彼は、結婚の意思はないが、血のつながった後継者が欲しいという。お金のことしか考えない冷たい男性に、あの子は渡せない。でも、ニコラスの条件に従って甥とともに城に移り住めば、私は人生を諦めることになる。彼への思いも封印して…。
ゴージャスな大富豪マックス・ヴァシリコスにエスコートされる鏡の中の自分を見て、エレンは息が止まりそうになった。これが“象みたいに大柄で醜い”と継姉に嘲られている私なの?マックスが手配した美容師たちの手で美しく変身したエレンは華やかな慈善舞踏会で彼とワルツを踊り、その翌日からは彼に誘われるままカリブ海の島で夢のようなバカンスを過ごす。夜ごと情熱的な愛撫に溺れながら、エレンは自分に言い聞かせた。世慣れた彼にとって、これはビジネスの一環にすぎないー私が命より大切にしている屋敷を奪うための策略なのだ、と。
5年前、リリーは車の事故で死んだー。しかし本当は、名前を変え、別の場所で暮らしていた。血のつながらない兄ラファエルとの愛に溺れていた彼女にとって、そうするしか、中毒のような関係から抜け出すすべはなかったのだ。しかしあるとき、リリーはとうとう彼に見つかってしまう。昔、二人の関係を“汚れた秘密”と呼んだラファエルに、私がひそかに産んだ息子のことを知られるわけにはいかない。突然のキスに心は動揺していても、彼女はとっさに嘘をついた。「私はリリーじゃないわ。あなたは誰…?」
祖父の死の直後、アレッサンドラは兄の親友クリスチャンになぐさめを求めてバージンを捧げた。彼はヨーロッパでもっともハンサムな富豪の一人で、派手な女性関係で有名だ。その彼に、一夜の情事で妊娠したと告げなければならないなんて。ところが、事情を知ったクリスチャンは結婚を口にした。彼は世間体と我が子を守りたいだけ。私を愛しているわけじゃない。それでも、屈辱に耐えながら申し出を受け入れるしかなかった。彼女には一人では子供を守りきれない事情があったのだ。
早くに両親を亡くし、叔母に引き取られた看護師見習いのアラベラは、叔母の娘で看護師のヒラリーと一緒に育った。美人でわがままな従姉とはちがい、控えめな性格で平凡な顔立ちだ。そんな彼女がある日、気の進まないヒラリーに代わって、小児患者につき添いオランダへの旅行に出た。ところが楽しい旅が一転、運転手が急死してバスが横転してしまう。助けに現れたオランダ人医師のギデオンに優しくされ、彼の洗練された様子に、アラベラは女性として初めて胸をときめかせた。その瞬間、ずっと比べられてきた美しい従姉の顔が脳裏をよぎったー私なんて恋をするだけ無駄よ。たとえ彼に運命を感じているとしても。弱き者や小さき者に優しいギデオンは外見にも増して中身の素敵な男性だと気づくアラベラ。募る思いと裏腹に、自信のなさから恋心を抑えようとする切なさに胸を締めつけられる。しかも運悪く、ロンドンまで送ってくれた彼が美人の従姉とでくわしてしまい…。
マリアは宝石デザイナーとして不遇の日々を送っていた。アリスト王国の王妃のネックレスを作る仕事を与えられたのに、傲慢なプリンス、アレックスにその機会を潰されてしまったのだ。彼はマリアを誘惑し一夜をともにしたが、朝がくると、冷酷にも彼女を追い払い、仕事もなかったことにした。だがその2カ月後、王子が突然ニューヨークの彼女を訪ねてくる。国王の命令で、もう一度王妃のネックレスを作れというのだ。しかも契約の条件は、アレックスの愛人になることー冗談じゃないわ!なんて卑劣な人なの。生活が逼迫していて断れないマリアは怒り、抵抗したが、彼は平然とせせら笑い、契約の印だと言って唇をふさいだ。