小説むすび | 著者 : 麦田あかり

著者 : 麦田あかり

冬は恋の使者冬は恋の使者

年上ドクターに会えてうれしい。 なのに、素直になれないのはなぜ? アラミンタは休暇中、崖下の浜辺で怪我をした少女に出会った。 けれども自分だけでは少女を抱きかかえて町まで戻れない。 するとヨットに乗った長身の男性が現れ、町まで送り届けてくれたが、 名前も告げずに立ち去ってしまった。お礼も言えないまま……。 アラミンタは看護師長としての忙しい日々に戻り、 ささやかで平凡な人生がこの先もずっと続いていくかに思えたーー 夜、彼女の住むフラットに、あの男性が訪ねてくるまでは! クリスピン・ファン・シーベルトと名乗ったオランダ人の彼は、 人づてに彼女の住所を聞いてやってきたらしい。 訪問の理由を尋ねると、彼は言った。「君にもう一度会いたかったんだ」 永久不滅の銘作をそろえる《ベティ・ニールズ・コレクション》。玄関扉を開けたら、ずっとまぶたの裏に焼きついて離れなかった魅力的な年上ヒーローの顔が。思わず胸を高鳴らせてしまうヒロインですが、心とは裏腹になぜかそっけない態度をとってしまい……。

幻を愛した大富豪幻を愛した大富豪

義兄への想いを封印し、名前も捨てた。 そうまでして隠したかった“愛の証”……。 5年前、リリーは車の事故で死んだーー でも本当は、名前を変え、別の場所で暮らしていた。 血のつながらない兄ラファエルとの愛に溺れていたリリーにとって、 そうするしか中毒のような関係から抜け出すすべがなかったのだ。 ところがある日、とうとうラファエルに見つかってしまう。 昔、二人の関係を“汚れた秘密”と呼んだ彼に、 密かに産み育てている息子のことを知られるわけにはいかない。 彼の突然のキスに動揺しつつも、彼女はとっさに言った。 「私はリリーじゃないわ。あなたは誰?」 これまで1日たりとも、彼を忘れたことなんてないのに……。 数多の女性と浮き名を流しながら、義妹のリリーをも誘惑した不埒なラファエル。けれど、リリーの死を信じず、似た人を見かけるたび確かめずにいられなかったのもまた、彼の真実でした。初めから赤の他人だったなら……と思わずにいられない、劇的ロマンス!

緑の乙女に口づけを緑の乙女に口づけを

「いつも白衣を着ているように」 彼はなぜ、私にそんなことを求めるの? 夜勤の日、看護師のジョージーナが交通事故に遭った子どもたちを 手当てしていたところへ、背の高い見知らぬ男性が現れた。 父親だろうと思って接していたが、じつはオランダの高名な医師で、 子どもたちの後見人のユリウスだということがわかる。 勤務を終えて眠りに就く前、彼女はユリウスのことを思い出した。 すてきな人にぴったりの名前ね。口元もとてもやさしげだった……。 その後も、気づくと彼のことを考えてしまうジョージーナだったが、 ただの看護師が名医に恋するなんてと、慌てて想いを打ち消した。 ところが後日、彼女は憧れのユリウスから思わぬ申し出を受ける。 「住み込みの看護を頼みたいので、君を借りることはできないか?」 働き者でみんなから慕われているジョージーナは、ユリウスに誘われて彼の屋敷で働くことになります。やがて子どもの怪我が回復したら、嬉しい一方で、ユリウスと会うことももうなくなるのかと考えると暗い気持ちになるのでした。1970年代の貴重な初期作です。

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