著者 : 齊藤昇
短編小説の名手といわれるO・ヘンリーの「最後の一葉」と並び称される傑作。 ニューヨークの片隅でひっそりと暮らす若い夫婦。手元にあるのは、わずか1ドル87セント。妻のデラは愛する夫へのクリスマス・プレゼントに何を送ったらいいのか、考えあぐねていた。そこで彼女が意を決してとった行動とは……。 クリスマス・プレゼントという素晴らしい習慣の始まりは、東方の三人の賢者が飼い葉桶の中で眠るキリストに贈り物を運んできたことに由来するという。お互いを思いやる気持ちが空回りして思わぬ結果を招いてしまった二人の行動は、果たして〈賢者の贈り物〉にふさわしくなかったのだろうか。 グリーナウェイ賞に2度輝いている絵本作家L.J.リンチが「初めてニューヨークを訪れ、O・ヘンリーの時代からほとんど変わっていない街並みを見て以来、ずっと描きたいと思っていた」という作品。全編に描きこまれた水彩画で、名作の魅力をじっくりと味わってみてください。
アンチ・フランクリン型の主人公(リップ)のアメリカ版「浦島太郎」物語、田舎教師(イカボッド)の儚い恋と「首なし騎士」伝説。ドイツの民話を素材に、アメリカ的なフォークロアの息吹を巧みに導入した、アーヴィングの代表的短編2編。F・ダーレイの挿絵にF・クレーデルが彩色した図版付。 口絵 リップ・ヴァン・ウインクル スリーピーホローの伝説 あとがき
「アメリカ文学の父」W・アーヴィング(1783-1859)の最高傑作。短篇小説ありエッセイありの雑記帳。上巻には、アメリカ版浦島太郎「リップ・ヴァン・ウィンクル」のほかに、おもに英国の風俗習慣を素描した、格調高い筆致の18篇を収録。上下巻あわせて日本語への翻訳史上初の全34篇を訳出。挿絵多数。(全2冊)[新訳] 《収録作品》 私自身について 船旅 ロスコウ氏をめぐって わが妻に リップ・ヴァン・ウィンクル イギリス人文筆家のアメリカ観 イギリスの田園生活 ブロークン・ハート 書物の作り方 王室の詩人 田舎の教会 老母と息子 ロンドンの日曜日 居酒屋ボアーズヘッド 文学の変遷 田舎の葬式 旅籠の厨房 幽霊花婿 ウェストミンスター寺院
『スケッチ・ブック』『アルハンブラ物語』とならぶ、W・アーヴィング(1783-1859)の傑作。ブレイスブリッジ邸での婚儀に招かれた語り手が、邸に集う人びとの様々な姿や悲喜こもごもの出来事を丹念に見聞きして語る。英国の牧歌的な風景と伝統的な風俗風習を背景に展開する秀逸な作品。本邦初訳。(イラスト=R・コールデコット) ブレイスブリッジ邸へ 忙しい男 邸宅の召使い 未亡人 恋人たち 家に伝わるもの 老兵 未亡人のお供 即金ジャック 独身男 文学の好古家 農家 馬術 愛の兆し 鷹の訓練 鷹狩り 占い 恋の呪い 独身男の告白 ジプシー 村の名士たち 校長先生 村の学校 村の政治屋 ミヤマガラスの巣所 五月祭 罪人 恋人たちの悩み 婚礼 訳注 解説 口絵・挿絵=ランドルフ・コールデコット