著者 : H・G・エーヴェルス
オクストーン人のハンザ・スペシャリスト、スタリオン・ダヴは、二百の太陽の星でエレメントの十戒のマシンであるペド転送機を見つけ、それを破壊しようとした。ところが、気がつくと十戒の“孵化基地”に転送されていた。基地の指揮官1=1=ヘルムがダヴの高い身体能力に目をつけ、新たなエレメントの素材にしようと考えたらしい。その過程でダヴは何度も苛酷な戦いを強いられることになり、しだいに消耗していくが!?世界最長のスペースオペラ。
ペリー・ローダンはエレメントの十戒の道具であるアンドロイド、ウェイリンキンとともに、2402年のアンドロ・ベータ星雲へと遷移させられた。そこでは島の王たちがツーノーザー種族を全滅させる寸前だった。ウェイリンキンがかれらの悲惨な未来について予言したため、自暴自棄になったツーノーザー種族にローダンは殺されそうになるが、危機一髪で助かる。それはかれに興味を持った時間巡回者、ニゼルのおかげだった…。
アルマダ工兵によるプラズマ生物“新オルドバン”のローランドレへの輸送は着々と進んでいた。ところが、その途中で突然、輸送コンテナにとりつけられたグーン・ブロックが離脱し、新オルドバンはどこかに姿を消してしまう。これを銀河系船団のテラナーたちのせいだと考えたアルマダ工兵パルウォンドフは、ローランドレをめぐる最終決戦にのぞむべく、おそるべきパラノーマル精神エネルギー、ウェトネスを投入した…!?
実験船“イキューバス”に乗りこんだエリック・ウェイデンバーンとその信奉者十万人は、アルマダ工兵の生物兵器によってひとつに融合したのち、プラズマ状の巨大有機体となっていた。アルマダ工兵たちはこの集合体生物を“新オルドバン”と名づけ、アルマダ中枢への輸送を計画する。これによってアルマダ中枢を掌握し、無限アルマダ全体をわがものにするつもりなのだ。ところが、輸送作業には予期せぬ困難が待っていた!
タウレクは四次元性の影チュトンとふたたび融合し、コスモクラートとしての本来の任務を思いだした。さらに変節者ヴィシュナを改心させることにも成功。ロワ・ダントンやデメテルらとともに、ヴィールス・インペリウムの一部にされたミニ地球の住人たちを解放する準備をはじめる。ところが突然、ヴィールス・インペリウムに不具合が発生した。その原因はどうやらルナのインポトロニクス、ネーサンにあるらしいのだが…
銀河系船団所属の軽ハルク船“ヴィヴィアー・ボンテイナー”はフロストルービン通過後、M-82銀河のかたすみにある荒涼とした小惑星帯に迷いこんでいた。そのため船にあちこち不具合が生じ、ハイパー通信機も機能せず、孤立状態におかれていたのだ。ようやく修理を終えて銀河中枢部へコースをとったが、仲間の艦船と再会できるかもと思ったそのとき、奇妙な二重恒星をめぐる惑星と、不思議な楕円形の構造体に遭遇した!
無限アルマダの重要拠点ローランドレをめざしていた銀河系船団は超越知性体セト=アポフィスの奸計にはまり、その居所である惑星アイテランへ連行されることになった。超越知性体の工作員にされてしまった“バジス”船長ウェイロン・ジャヴィアに先導されて、ペリー・ローダンとローランドレのナコール、別名アルマダ王子がアイテランに降りる。セト=アポフィスは、ペリー・ローダンを奴隷にするつもりらしいのだが…。
NGZ426年末、地球と月はヴィシュナの陰謀により太陽系のポジションから引きはなされ、グレイの回廊にとらえられてしまった。レジナルド・ブルやジュリアン・ティフラーら宇宙ハンザとLFTの首脳部は脱出する可能性を探るものの、ままならぬ状況だ。その数日後、四次元性の影と名乗る謎の存在チュトンがバベル・シンドロームにつづく第二の災いを予告した。回廊に穿孔が生じ、そこから“寄生占領地”がくるという!
未来から来たマークス原理主義者グレク336により、ヴィシュナの脅威から地球を守る時間ダムが崩壊してしまった。再構築はうまくいかない。その直後、地球と月の各所で人々の言葉が通じず、会話が成り立たなくなりはじめる。“バベル・シンドローム”と呼ばれたこの現象は、コンピュータをも混乱させ、大事故が多発する。そこに“四次元性の影”と名乗る異生命体チュトンが地球にあらわれて、地球滅亡の危機を訴えた!
銀河系船団所属のカラック船“ボサ・コヴァ”が、惑星バジス=1にもどってきた。ところが、乗員たちはまるで幽霊でも見たように茫然自失の状態だ。やがて、バジス=1にいたほかの艦船の乗員たちも奇妙な衝動にかられて支離滅裂な行動をとりはじめ、ローダンやアトランは不審に思う。そのうち、“バジス”に同乗していたシグリド人たちが船を出てどこかへ向かった。サイバネティカーのフラガン・タインがあとを追うが…
マークスの原理主義者グレク336は、オーストラリアの海岸町メルヴィルから逃走したのち、ふたたびチベットの町シシャ・ロルヴィクにやってきていた。プシ・トラストのメンバーたちがいる司令本部“思考タンク”を攻撃し、時間ダムを破壊するつもりらしい。テラ政府および宇宙ハンザの上層部は、宇宙駅ルックアウト・ステーションから新世代マークス12名を連れてきて、グレク336を説得してもらおうと作戦を練るが!?
ペリー・ローダンとソールドックの宇宙マスターであるカーゼル・ブーンは、ついに流刑惑星マルシェンで七つの鍵を手に入れた。これを使えばハイパー通信システム“大いなる知覚”の作動が可能になる。宇宙の拍動と呼ばれるインパルスを送信してM-82じゅうにちらばる銀河系船団に呼びかけ、再集結させることができるかもしれない。ところがローダンとブーンを阻止しようと、多数のバーノンとチェルシーが立ちはだかる!
アルマダ工兵ショヴクロドンは逃走中、鳥型種族ソールドックが住む四恒星帝国を発見した。ソールドックは超越知性体セト=アポフィスを崇拝しているが、現在はコンタクトがとだえ、それが原因で内乱が起きていた。ジョヴクロドンはこの状況を悪用して、テラナーの追跡を振りきろうと企む。そこでかれはセト=アポフイスの使者を名乗り、四恒星帝国に到着したローダンを罠にかけ、汚染された惑星マルシェンに送りこんだ!
ペリー・ローダンはポルレイターの武器、カルデクの盾への対抗手段として、惑星クーラトのケスドシャン・ドーム地下から持ってきた謎の手袋を使えないだろうかと考えていた。その実現可能性を探るため、商館がある惑星チェイラツで試験をすることにする。試験の実施者として選ばれたのは、ジェフリー・ワリンジャーひきいる科学者チームの一員で、なぜか手袋との親和性を持っている若者、ジョシュア・ガンダロだった…
NGZ425年12月、テラにおけるポルレイターの専横ぶりは度をこしていた。ポルレイターの代表ラフサテル=コロ=ソスはペリー・ローダンに、自由テラナー連盟、宇宙ハンザ、GAV¨OKに所属する宇宙船を数十万隻擁する艦隊を準備するよう迫る。大艦隊をひきいて、超越知性体セト=アポフィスの補助種族が住む諸惑星に出動し、懲罰をくわえるというのだ。一方、子供たちをふくむ“虎の一味”はいまだに行方不明だった!
ダルゲーテンのサグス=レトとケルマ=ジョは、その物質暗示者としての能力を利用しようとたくらむセト=アポフィスに支配され、工作員にされてしまった。エビ形アンドロイドにはいりこみ、テラナーを相手にさまざまな妨害工作を働いたのち、球状星団M-3の惑星インパルス2にふたたびもどってくる。生命の宿る巨木を撃って倒せとセト=アポフィスに命令されたためだったが、二名はその命令に疑問を感じはじめていた!
“ソル”乗員のホンス・プリス=フェルマイデンとセシントラ・ワルドンは、テルムの女帝とフェイヤーダル人との連絡に使われるコンタクト・センターをめざしていた。権力闘争にあけくれて、テルムの女帝にとりついでくれようともしない規律創造者のサトゲノスとレザルスローンには内緒で、コンタクト・センターに侵入しようというのだ。だが、“ソル”で生まれ育った者には想像もつかない困難がふたりを待ちうけていた…。
フェイヤーダル人からローダンたちに、惑星プレーンドム訪問を許可する連絡がきた。テストでは合格しなかったにもかかわらず、何者かの介入により、許可がでたのだ。プレーンドムには、行方不明のテラに関して情報を持つと思われる、テルムの女帝の謎を解く鍵があるにちがいない。だが、ローダンのほかに、フェイヤーダル人が指定してきた同行者七人は、異種族との交渉経験のすくない“ソル”生まれの若者ばかりだった。
“ソル”はケロスカーの計算者ドブラクの力を借りて、ふたたび地球を探す旅に出た。その途中で、未知の宇宙船の大編隊に包囲される。細長く優美な外観を持つ異船をあやつっていたのは、未知銀河の惑星クマントに住む種族、トバールグだった。かれらの意図もわからないまま、ローダンたちはクマントへの着陸を余儀なくされてしまう。タッチャー・ア・ハイヌはダライモク・ロルヴィクとともに、惑星の偵察に向かったが…。