ジャンル : ミステリー・サスペンス
東京・葛西駅前のコインロッカーから女性の左腕が発見された。「ロックスミス(錠前師)」を名乗る犯人はヒントとなるメッセージとロッカーの鍵を残しており、引き続き身体の断片を捜すよう命じる。筋読みに優れた女性刑事・城戸葉月を中心とした警視庁の捜査チームは都内を奔走。一方、エンバーマー(遺体整復師)の折口聡子は「ウツロ」を名乗る人物に監禁されていた。ウツロは手足のない女性の骸の復元を聡子に要求する。一向に姿を現さないロックスミスとウツロの真意は?そして葉月と聡子が迎える衝撃の結末とはー?
疑いを差し挟む余地のない、資産家の老人の死。しかし彼の娘は、財産の大部分を相続する中学生の孫に疑惑の目を向けた。あれは本当に自然死だったのか?すでに遺体は荼毘に付され検視は不可能、疑惑を解決するための困難極まりない調査は弁護士を介して特殊能力を持つ私立探偵に持ち込まれた。その探偵がー俺だ。霊の記憶を読み取ることができる探偵、天野春近の調査と推理を描く書き下ろし中編二編を収録。『記憶屋』が話題を呼んだ新鋭の野心作。
昭和十二年(一九三七年)五月、銀座で似顔絵描きをしながら漫画家になる夢を追いかける那珂一兵のもとを、帝国新報(のちの夕刊サン)の女性記者が訪ねてくる。開催中の名古屋汎太平洋平和博覧会の取材に同行して挿絵を描いてほしいというのだ。華やかな博覧会を楽しむ最中、一報がもたらされた殺人事件。名古屋にいた女性の足だけが東京で発見された!?同時に被害者の妹も何者かに誘拐されー。名古屋と東京にまたがる不可解な謎を、那珂少年はどんな推理を巡らせて解くのか?空襲で失われてしまった戦前の名古屋の町並みを、総天然色風味で描く著者最新長編。
夫を転落事故で喪ったアリスは、遺品のなかにミス・ラッシュなる女性の名が書かれた空の封筒を見つける。そこへ息子のマルコムが、美女を伴い帰宅した。女の名前はラッシュ…彼女は何者なのか?息子に近づく目的、夫の死との関連は?緊張と疑惑が深まるなか、ついに殺人が起きる…。迫真のサスペンスにして名探偵による謎解きでもある、ウィリング博士もの最後の未訳長編。
アルマダ年代記の正体は、ウォムと呼ばれる極小サイズのヒューマノイドだった。無限アルマダの歴史を語るウォムが数十億体も収容された黒いピラミッドこそ、アルマダ年代記そのものだったのだ。ローダンが一体だけ“バジス”に持ち帰ったウォムは“アルマダ予言者”という謎の存在について語りはじめる。“バジス”はウォムの言葉にしたがって、アルマダ予言者を探す旅に出た。ところが、途中で奇妙な二重星に遭遇した!
緊急通信を傍受したローダン達はトーラの操縦する“グッド・ホープ”でヴェガ星系に跳ぶ。そこで見たのは、ヴェガ星系を守るフェロン人の宇宙艦隊を容赦なく殱滅する、トプシダーの大型戦艦だった。地球では、突如飛来したファンタン星人の宇宙船に初めての接触を試みるためブル、シド、スーらが向かう。そして、謎のアンドロイド・リコは、身体を自己修復し海を目指すが…遂に外宇宙での星間戦争が幕を開ける新展開!
2114年、ストレイター大佐による道徳再生運動の結果、世界は小型ロボットに監視される管理社会となっていた。アレン・パーセルは調査代理店の経営者として成功を収めていたが、突然の衝動に駆られて大佐の銅像に「いたずら」してしまう。像の頭を切り取り、手に乗せて蹴ろうとする姿にしてしまったのだ。この事件を機に、アレンは管理社会から落伍していく…。ディストピア社会を戯画化した初期長篇。
〈黒後家蜘蛛の会〉のお楽しみーーそれは知性あふれる6名の会員たちによる丁々発止の会話、毎回のゲストが提供する謎かけの数々、そしてその難問を見事に解決する給仕ヘンリーの名推理である。偉大なる黄金パターンを何度でも楽しめる、殿堂入りの連作短編集。第3巻にはアメリカ大統領にまつわるトリビアから火星や日蝕の様相まで、多岐にわたる分野に材を得た全12編を収録。“ディナーのあとで謎解きを”心ゆくまで堪能せよ!
幕末の江戸。岡っ引の辰親分は、福引きの一種である“宝引”作りをしていることから、“宝引の辰”と呼ばれていた。親分は不可思議な事件に遭遇する度に、鮮やかに謎を解く!殺された男と同じ彫物をもつ女捜しの意外な顛末を綴る「鬼女の鱗」。美貌の女手妻師の芸の最中に起きた、殺人と盗難事件の真相を暴く「夜光亭の一夜」。ミステリ界の魔術師が贈る、傑作13編を収録する。
綾乃は高等部に進級し、中等部には雪之丞の従妹や絵葉の弟や、人間の女の子桜子も入学してきた。そして新学期の一週間が終わったころ、綾乃たちの学年にロシアの水妖ヴォダーくんがやってきた。ところがそんなとき、学院で奇妙なことが起こり始める。周辺では不審者が目撃され、寮の部屋からお八つが消える。妖怪と人間がともに学ぶ魔女学校を舞台にした愉快な学園ファンタジイ。
アルマダ炎を帯びたアトランひきいる“ソル”が惑星バジス=1に帰還してきた。アルマダ中枢、すなわちオルドバンが沈黙してのち狼藉を働いていたトルクロート人を平定し、その大艦隊とともにもどってきたのだ。トルクロート人は、アトランをオルドバンの使者と思いこんでいる。ローダンは、この状況を利用してアルマダ工兵に先んじようと、オルドバンの消息を探る遠征を計画。ふたたびアトランに任務を託すのだが…?
400年前に地球を飛び立って以来消息不明だった探査船“カール・セーガン”の活躍により、ヌオヴォ・パトリア星系はファージの猛攻をしのぐことができた。だが、同時期に攻撃を受けた地球連合の首都惑星ヘイヴンは完膚なきまでに破壊される。事態を憂慮したウルフ艦長は“カール・セーガン”船長ブレイク大佐の勧めに従い、強大な異星種族ヴルアーンにファージ戦争への協力を求めるが…“暗黒の艦隊”3部作、堂々完結!
大学生の関口藍は、前世・前前世の記憶を所持して生まれてきたという少女・伊藤杏寿と出会い、生まれ変わりを防ぐ手助けをしてほしいと頼まれる。情報を得るため、前前世の少女・木綿子の生家を訪ねた藍たちは、そこで謎のポルターガイスト現象に遭遇する。その翌朝には当主の毒殺死体が発見され、現場には木綿子の署名が残されていた。三十二年前、彼女は何者かに殺害されたらしく…。
しばしの休養のため湖畔のホテルにやってきた明智小五郎は、大宝石商の娘・玉村妙子と知り合い、心惹かれていく。それが玉村家の怪事件へかかわり合うことになる始まりだった。妙子の叔父福田得二郎のところへ数字のみを書き記した謎の紙片が届き始める。その数字が「三」となったとき、得二郎は内側から鍵をかけた自室で殺され、血まみれの死体からは首が奪われていた!
神谷芳雄がめぐり合った恐るべき怪事件。恋人の弘子に不気味な男は言い寄る。その顔はどす黒く、大きな口に敏捷に動く長い舌。獣のようなその男は恩田と名乗り、こともあろうに弘子をさらって惨殺する。警察の捜査も虚しく、恩田は姿をくらます。一年後、神谷の新たな恋人・江川蘭子の前に恩田が現れる。美しい姿が突如として舞台の中央から消えた!美貌の歌姫にまたしても魔の手が迫る…
元新聞記者マックス・マシューズは、兄が船長を務めるエドワーディック号に乗り込んだ。戦時下の英国へ軍需品を運ぶ危険な航海である。二日目の晩、マックスは同船した女性の遺体を発見。外部からの侵入はありえない海の上、殺害現場に指紋が残されており、犯人は網にかかったも同然と思われたが、奇妙なことに船内に該当者はいない…。H・M卿は不可能状況をいかに解くか。
元刑事の“レミング”はある日カフェで見知らぬ男に絡まれる。店を出て路地に逃げ込むと、そこには白い手袋をつけピストルを握った男が。白手袋の男は、“レミング”を追ってきた男の頭を撃ち、なぜかピストルを“レミング”に持たせて立ち去った。このままでは殺人犯にされてしまう!“レミング”は真相を突き止めるため、被害者が働いていた療養所に患者として潜入するが…。
その夜、地球が緑色の大流星群のなかを通過し、だれもが世紀の景観を見上げた。ところが翌朝、流星を見た者は全員が視力を失ってしまう。世界を狂乱と混沌が襲い、いまや流星を見られなかったわずかな人々だけが文明の担い手だった。だが折も折、植物油採取のために栽培されていたトリフィドという三本足の動く植物が野放しとなり、人間を襲いはじめた!人類の生き延びる道は?