ジャンル : ミステリー・サスペンス
名ヴァイオリン職人ジャンニのもとに、パガニーニ愛用の名器“大砲”が持ちこまれる。修理の翌日、美術品ディーラーの撲殺死体が発見された。彼はホテルの金庫に黄金製の箱を預けており、中にはエリーザという女性がパガニーニに宛てた古い手紙があった。これは事件解明の手がかりなのか?名職人にして名探偵が“悪魔のヴァイオリニスト”をめぐる壮大な歴史の謎に挑む!
港町ポーツマスでオークションハウスを営むジョシーは、ある日地域の警察署長の訪問を受ける。家財の出張鑑定をした老富豪が自邸で殺されたというのだ。容疑者となった彼女は、家財リストにあるルノアールの絵が見つからないことを出発点に、仕事と並行して独自の調査を進めるがー確かな審美眼を持つ腕きき女性オーナーが主人公となる、アンティーク×ミステリのシリーズ第一弾。
政治家である夫との隙間風に悩み、幼なじみの陶芸家に心惹かれるエルヴィーラ。陶像のモデルになるだけのはずだったのに…。一度だけの情事。だが、ひとりの少年に見られていた。そしてその直後、少年は姿を消す。壊れかけた二つの家族。北欧の伝説息づく風光明媚なゴットランド島で何が?自らも離婚を経験し、子どもと別れて暮らす女性警官マリア・ヴェーンが事件を追う。
キングとツァラプキン。境遇の異なる若きテニス世界ランカーは、試合を通じて意気投合し親友となった。彼らは互いに高めあい、やがてともにウィンブルドン選手権への出場を果たす。だが、その世界一の大舞台では、ある大胆な犯罪計画が実行されつつあったー。青年たちの友情を軸に、白熱する試合と犯罪の行方を描いて手に汗握らす、極上のスポーツ小説にして大傑作ミステリ!
いずれはフランスに住みたいとフランス語の勉強に余念ない私立探偵ジャクソン・ブロディ。目下の仕事は消えた幼女捜し。34年前に3歳で姿を消したのだった(中年の変人姉妹の依頼ー死んだ父親の家を片づけていたら、妹が消えた時に持っていたネズミのぬいぐるみが出てきたの!)、そして惨殺された愛する娘の殺人犯捜し(弁護士だった父親の依頼ー彼の家は捜査本部のようで、現場写真、地図、タイムテーブル等々で胸が悪くなりそうだ)、消えた黒猫捜し(猫屋敷の老婦人の依頼ー誰かがさらっていっちゃうんです)、キャビンアテンダントである妻の浮気調査(被害妄想気味の夫の依頼ーこんな男があんなゴージャスな女をどうやってものにしたんだ?)、25年前、夫殺しでつかまった姉の、当時赤ん坊だった娘捜し(ある看護師の依頼ー駄目なわたしの代わりに、お母さんになってあげて、と姉に言われたのに…)
僕ー中央ーは、大学院に通いながら、元世界チャンプ・英雄一郎先生が経営する、良く言えばレトロな「ビリヤードハナブサ」でアルバイトをしている。ビリヤードは奥が深く、理論的なゲームだ。そのせいか、常連客たちはいつも議論しながらプレーしている。いや、最近はプレーそっちのけで各人が巻き込まれた事件について議論していることもしばしばだ。今も、常連客の一人が会社で起きた不審死の話を始めてしまった。いいのかな、球を撞いてくれないと店の売り上げにならないのだが。気を揉みながらみんなの推理に耳を傾けていると、僕にある閃きが…。この店には今日もまた不思議な事件が持ち込まれ、推理談義に花が咲くー。事件解決の鍵はビリヤードにあり。安楽椅子探偵、中央のデビュー戦。第24回鮎川哲也賞受賞作。
名探偵キャンピオン氏の魅力を存分に味わえる、粒ぞろいの短編集。袋小路で起きた不可解な事件の謎を解く「ボーダーライン事件」や、20年間毎日7時間半も社交クラブの窓辺にすわり続けているという伝説をもつ老人をめぐる、素っ頓狂な事件を描く表題作など計7編のほか、著者エッセイを併録。
落ちこぼれネクロマンサーのワードと死から蘇った美女シーリアが、暗殺者に追われて飛びこんだのは、黒魔術師の屋敷。ワードは弟子候補と間違えられてしまう。とっとと逃げ出すべきなのに、可愛い女の子には助けを求められ、旧知の猟官には盗みを命じられ、深みにはまっていくワード。気が弱いのに正義感が強く頑固なワードにシーリアは苛立ちを隠せない。好評シリーズ第二弾。
ヨークシャーの古い屋敷で春の休暇を過ごしていたドイツ人グループ。三組の夫婦と子供が三人…夫たちの濃密な友人関係のもと、時は流れていたが、ある明るい一日、子供を含めた五人が惨殺死体となって発見された!凶器は同じナイフだ。いったい誰が?なぜ?屋敷の相続権を主張しつづけていた謎の男が犯人なのか?ドイツのベストセラー作家が人間心理の闇を描いた傑作。
古い屋敷で発見された五人の惨殺死体。楽しかったはずの休暇にいったい何が起きたのか?夫たちを中心に集まる彼らは、周囲からはうかがい知ることのできない問題をそれぞれに抱えていた、夫婦間に、親子間に。そして親密すぎるほど親密だった三人の夫たちの結びつきには驚くべき秘密が…。人間ドラマを描いて右に出る者がいない、ドイツの国民的作家による圧巻のミステリ!
部室で目覚めると、8年間の記憶が失われ高校時代に逆戻り。どうやら母校で教師をしているらしい。おまけに親友の実綺が高二の文化祭前に亡くなっているなんて!?二人で『眼鏡屋は消えた』を上演するべく奮闘していたのに。あたしは最も苦手としていた、イケメンの元同級生・戸川涼介とともに真相を探る決意をしたが…。ハイテンションな筆致で贈る、第21回鮎川哲也賞受賞作。
パラディスは狂える者の都。あるいは、パラディスそのものが狂っているのか。汚染された街パラダイスに住む双子の兄妹。恋人殺しの疑いをかけられたパラディの女画家。役者に焦がれその身を投げ出したあげくに捨てられたパラディスの若い娘。異なる時、異なる世界のパラディス。だが狂気に搦めとられた彼らの運命は歪み、交わってゆく。闇の女王タニス・リーの幻惑に満ちた物語。
ロス市警の刑事スコットは相棒とパトロール中、銃撃事件に遭遇する。銃弾はふたりを襲い、相棒は死亡、スコットも重傷を負った。事件から九カ月半、犯人はいまだに捕まっていない。警備中隊へ配属となったスコットはそこで新たな相棒ースコットと同様に、大切な相棒を失ったシェパード、マギーーに出会った。アメリカ探偵作家クラブの生涯功労賞を受賞した著者の大作登場。
自分たちの町で作家や出版関係者が集まるミステリ大会が開かれると知り、ジェーンは喜び勇んで親友のシェリイと参加することに。大会では憧れの作家に会え、自作の小説を持ち込む機会に恵まれた一方で、新人作家や名物編集者の振る舞いに眉をひそめることにもなる。そして、批評家の失踪を皮切りに事件が続発し…主婦探偵がイベントで起きた現実の事件に挑むシリーズ第14弾。
西暦2312年、人類は太陽系各地で繁栄しつつも、資源格差や環境問題をめぐり対立を深めていた。そんななか、諸勢力共存の要だった水星の大政治家アレックスが急死。彼女の孫スワンは、祖母の極秘の遺言を届けに木星の衛星イオに赴く。地球を訪れたのち水星に戻ったスワンは、移動都市を襲う隕石衝突に巻きこまれる!『レッド・マーズ』の著者による3度目のネビュラ賞受賞宇宙SF。
英国中西部の炭鉱の村で、夫婦と幼児が突如失踪した。ロンドン警視庁のディ警部補とハマースミス巡査部長が捜索に派遣されたが、与えられた時間はわずか二日間。地下の坑道のため沈みゆく村を襲う原因不明の奇病、発見された不気味な目玉と血染めのドレス…。謎に次ぐ謎が刑事たちを翻弄する。迷信と因習が残る村の闇と、刑事たちの光がせめぎ合う、ノンストップ警察小説!
全身をグレイ一色につつんだ異色の名探偵・幽霊紳士が事件関係者の前に現われた時、謎は解き明かされるーどんでん返しの趣向に満ちた全12話で構成される『幽霊紳士』。若き日のホームズの活躍を描くパスティーシュなど、世界を舞台にした奇妙な8編を収録する『異常物語』。時代小説の大家による、本格ミステリ連作集と長らく入手不可能だった奇想に満ちた短編集を合本で贈る。
中学の卒業式の日に父親に失踪され、生活費を稼ぐためバイトに明け暮れる少女・水野珠希。あだ名は水玉。趣味は小銭貯金とおいしいものを食べること。しかし、宅配ピザの配達中に事故に巻き込まれ、気づいたときには病院のベッドの上。退院してみたらユーレイと同居する羽目に!珠希の周りで起こる小さな事件を、ユーレイ少年の手助けを得て解決していくのだが、肝心のバイトは次々クビ!?アップテンポに展開する日常ミステリーの異色作。