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「一言も聞いてなかったぞ」編集長は憤慨して言った。それは、全国紙に掲載された有名アイドルの写真集の広告から始まった。カメラ雑誌の編集者である小関雄と、マニアと自ら認めるえすえふ作家、吉田均。そのふたりが、さまざまにカメラと関わってゆく。アイドル写真にいのちを賭けるカメラ小僧たちはなぜ白い胴の望遠レンズを使うのか?その、ファン心理に迫る「アイドル狙いの標準レンズ」。など、など、こだわりの作家〈吉岡平〉の書き下ろし小説。
病弱で生意気な美少女つぐみ。彼女と育った海辺の小さな町へ帰省した夏、まだ淡い夜のはじまりに、つぐみと私は、ふるさとの最後のひと夏をともにする少年に出会ったー。少女から大人へと移りゆく季節の、二度とかえらないきらめきを描く、切なく透明な物語。第2回山本周五郎賞受賞。
夏目漱石の『吾輩は猫である』の主人公吾輩が、ビールを飲んでカメの中に落ちて、ナムアミダブツを唱えたけれど、酔いが醒めればカメの縁から這い上がってくる。独語教師・五沙弥入道宅に移して「猫」が見る人間模様を描く百〓@6BE1版『吾輩は猫である』。
麗子・23歳、有美子・19歳。美人の誉れ高い姉妹が、性獣たちの毒牙に堕ちた。妹を助けたいばかりに、乳房を、秘唇を嬲り抉られながら、長い髪を乱して舌戯に耽る麗子。脚では、四つん這いになって、処女地を荒らされる有美子。高まる姉妹の悲鳴、呻き、鳴咽…。やがて、姉の股間からは愛液が、妹からは鮮血が滴りはじめた。
ただひとつ、ずっとわかっていることはこの恋が淋しさに支えられているということだけだ。この光るように孤独な闇の中に2人でひっそりいることの、じんとしびれるような心地から立ち上がれずにいるのだ。-絶対の愛の感情と喪失を透明な夜の夜間の中に描いた「白河夜船」「夜と夜の旅人」「ある体験」の三部作。
美術教師・桑野香織、社会科教師・早川美津子。2人の美人教師が、悪徳教師の毒牙にさらされる!豊麗な27歳の肢体を緊縛され、夜通し嬲り抜かれる香織。22年間、守りつづけた処女を、赤銅色の剛直で抉られる美津子。昼休みに、放課後に、今日もまた屈辱のレイプがはじまった。
異常な記憶力、超人的行動力によって、南方熊楠は生存中からすでに伝説の人物だった。明治19年渡米、独学で粘菌類の採集研究を進める。中南米を放浪後、ロンドン大英博物館に勤務、革命家孫文とも親交を結ぶ。帰国後は熊野の自然のなかにあって終生在野の学者たることを貫く。おびただしい論文、随筆、書簡や日記を辿りつつ、その生涯に秘められた天才の素顔をあますところなく描く。
出会った時からずっと、2人はいつでも2人きりで満天の星空の下にいるような気がした…。そしていつも何となく悲しいような感じがした。-二人の運命的な出会いと愛のかたちを通し、かなたにある希望と幸せを描いた「キッチン」に続く第二作品集。芸術選奨新人賞受賞。
東京郊外に移り住んだ家族は、4年生の男の子を頭に2年生の女の子、そして幼稚園前の男の子のいる賑やかな5人家族。奔放な3人の子供達を中心に若々しい父母、近隣の人々、夕方になるとなぜか吠え出す愛犬ベルらの優しく温かな交流ー。子供達の華やぎと移りゆく自然の美しさの中に生の原風景を紡ぎ出す庄野文学の記念碑的長篇。
23歳の実姉・沙由里と24歳の義姉・亜矢子。二人が美しすぎる故に、秀之の性の悩み、渇望は大きかった。清純な沙由里への熱き想い。大人の色香をたたえた亜矢子への欲望。初めての相手は沙由里ねえさんと…。だが、実の姉とはできない。そしてついに、秀之は決心した。亜矢子ねえさんに教えてもらおう…。はやる心を抑え、秀之は裸で、眠っている亜矢子の寝室に向かったー。
いけない、やめさせなければ。同僚教師に抱かれ、女の色香を発散させながら、日高早紀子はせいいっぱい抗う。しかし、朱唇を奪われ、豊麗な乳房を揉まれると、理性が消え去り、“充実感”を求めて疼きだす、二十八歳の女の悲しき性…。女教師、早紀子の呪われた私生活を、凌辱作家、綺羅光が描ききる、渾身のレイプ。
朝の通勤電車に一際めだつ妖艶な美女の姿。しなやかな脚、襟元から覗く雪白の甘肌、ムチムチと心地よく張ったヒップライン…痴漢の獲物を求めて徘徊する男の獣性を、グググッとそそる晋体と美貌だ。男は美女の背後にぴったりと張りつき、太腿を、尻肉を、乳房を弄びはじめる。美女の名は村越由起美、二十六歳。まさかその由起美が、M性を秘めた人妻だとは、そのとき痴漢は予想だにしなかった…