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からだが牛で顔丈人間の浅間しい化物〈件〉。生まれて三日にして死に、その間に人間の言葉で、未来の凶福を予言する。その〈件〉に生まれ変った私の根源的な孤独と不安を描く「件」ほか、鮮明、不可解な夢幻的世界を稀有の文章で描いて、漱石の『夢十夜』に勝るとも劣らない不朽の短篇小説集。
狂人と健常者の狭間に身を置き、他者を求めながらも得られずに自ら死を選ぶ男の狂気を内側から描いて、現代人の意識に通底する絶対的な孤絶を表出し、読売文学賞を受賞した著者の最初で最後の純文学長篇小説。
捉えどころのない管理と支配の触手にみちた「現在」を生きる若者の矛盾と混乱を、クラシック音楽形式の実験的手法で描いた野間文芸新人賞受賞作ほか「スピカ、千の仮面」を収録。
天才ピアニストとして期待されていた輝美は、ある日突然失明した。音楽に生きがいを求めて厳しいレッスンにも耐える日々のなか、彼女の周りで次々と人が殺される。美しいピアニストに近づく男たち。気配と音だけが彼女の疑惑を深め、やがて恐ろしい真相が見えてくる…。人の虚実を鮮やかに描いた傑作短編集。表題作ほか四編を収録。
思いきり脚を開き、男を迎え入れる女体。紅潮した美しい顔、震えおののく麗しい身体、羞じらいつつも、ほとばしる嗚咽…。深夜、寝室での性宴を覗いた少年は、女が“母”だとはとても信じられなかった。それでも少年の股間は熱化し硬直し、“女”となった母を求めて疼きはじめる。寝室が凌辱の舞台に変わる時、薄幸の母、芳乃にまた新たな悲劇が…。
ドラゴン族の魔法を封じ込めたといわれる、伝説の封魔の秘宝〈ガルーディナの玉〉。ランド侯配下の戦士ヴァーミリオン・ゼロは、アスカやルフィー、ライムら6人の仲間とともに、その秘宝を求めてツァレル山地へと向かう。そこに待ち受けていたのは、狂暴なモンスターや、秘宝を狙う他の冒険者たち。そして、秘宝を奪っていたのは、意外にも…。月刊ポプコム連載中の、読者参加型誌上RPGシリーズ。好評第3弾は、〈ガルーディナの玉〉をめぐるエピソードの完結編。
成城署の真名部警部は、偶然知り合った脳性マヒの少年の並外れた知性に瞠目するようになる。教えたばかりのオセロ・ゲームはたちまち連戦連敗の有様だ。そして、たまたま抱えている難事件の話をしたところ、岩井信一少年は車椅子に座ったまま、たちどころに真相を言い当てる…。数々のアイディアとトリックを駆使し、謎解きファンを堪能させずにはおかない連作推理短編の傑作。
かつてドラゴン族の魔法を封じ込めたといわれる、伝説の三つの宝玉。そのうちの一つ、〈ガルーディナの玉〉が発見された。それをめぐって争う、ランド、ワグンバ、ダルグールら3人の有力諸候たち。若き戦士ヴァーミリオン・ゼロは、ランド候の配下となって、宝玉探索の冒険へと旅立ったのだが…。三つの月をいただく異世界の地、ザドゥームを舞台とする、月刊ポプコム連載中の誌上RPG『リューヌ伝説』。野望渦巻く時代を描く、待望のシリーズ第2弾。
静謐な病院内で、院長に迫られる美しき未亡人女医・冴子。白衣の下に息づく豊かな双丘が剥かれ、恥ずかしい下半身がさらされる。夕暮れの医務室で、深夜のレントゲン室で、たてつづけに犯され、嬲られ、やがて、濡れて光る女医の秘唇…。凄艶な腰が、剛直を追いかけるように激しく揺れ、忘れかけていた肉の悦びが、剛子の体に甦った。