唐宋伝奇集 下
唐宋伝奇の源流は六朝時代の怪異譚に求められるが、唐代になると、意識的に奇異なものを追求して曲折に富む複雑な筋立てにし、修辞も凝るようになる。こうして文学と呼ぶにふさわしい創作ジャンルが確立する。武田泰淳は、これを、ヨーロッパの近代的短篇にも劣らぬ、常に新しさを失わぬ芸術品の結晶であるといった。
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収録作品 杜子春(牛僧孺) 杵,燭台,水桶,そして釜ーー元無有(牛僧孺) みかんの中の楽しさーー巴邛人(牛僧孺) 冥界からもどった女ーー斉饒州(牛僧孺) 同宿の客ーー辛公平上仙(李復言) 魚服記ーー薛偉(李復言) 赤い縄と月下の老人ーー定婚店(李復言) 則天武后の宝物ーー蘇無名(牛粛) 竜女の詩会ーー許漢陽(谷神子) 飛天夜叉ーー薛淙(谷神子) 白蛇の怪ーー李黄(谷神子) 碁をうつ嫁と姑ーー王積薪(薛用弱) 玻璃の瓶子ーー胡媚児(薛漁思) 女将とろばーー板橋三娘子(薛漁思) 山の奥の実家ーー申屠澄(薛漁思) 蒼い鶴ーー戸部令史妻(戴孚) 巨獣ーー安南猟者(戴孚) 鄭四娘の話ーー李(戴孚) 嘉興の綱渡りーー嘉興縄技(皇甫氏) 都の儒士ーー京都儒士(皇甫氏) 腕だめしーー僧侠(段成式) 旁とその弟ーー新羅(段成式) 葉限ーー中国のシンデレラ(段成式) 形見の衣ーー陳義郎(温庭筠) 再会ーー楊素(孟棨) 崔護と若い娘ーー崔護(孟棨) 麺をとかす虫ーー消麺虫(張読) 李徴が虎に変身した話ーー李徴(張読) 崑崙人の奴隷ーー崑崙奴(裴鉶) 空を飛ぶ侠女ーー聶隠娘(裴鉶) 女道士魚玄機ーー緑翹(皇甫枚) 犬に吠えられた刺客ーー李亀寿(皇甫枚) 詩人の男伊達ーー張祜(馮翊子) 奇譚二則ーー画工・番禺書生(逸名) つばめの国の冒険ーー王榭(逸名) 真珠ーー狄氏(廉布) 日銭貸しの娘ーー大桶張氏(廉布) 居酒屋の女ーー呉小員外(洪邁) 壁に書かれた字ーー太原意娘(洪邁) 怪盗我来也ーー我来也(沈俶) 1988/09/16 発売