安岡章太郎集(8)
父の郷里土佐で見つかった渋紙色の古い日記に誘われ父祖の事蹟を辿りはじめた著者は、やがて厖大な資料と格闘しながら幕末維新の歴史の襞の一つ一つを解きほぐし、この動乱の時代を活写する。歴史小説に新しい手法を切拓いた渾身の労作。
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東山道、江戸、棚倉、二本松…。戊辰戦争転戦のさきざきから家郷へ宛てた安岡覚之助の夥しい書簡を軸に流離の物語は展開する。幕末維新の動乱の時代と、ただならぬ運命を生きた人々の相貌を鮮かに映し出し、歴史とは何かを鋭く問う傑作長編。 1988/02/01 発売
安岡章太郎集(7)安岡章太郎集(7)
戦後の崩壊感のなかでの、主人公の母の死、父や妻との葛藤、先輩の妻との情事やその発覚後の抜き差しならぬ展開…捉えどころなく移ろう日常にひそむ「おそれ」と、人間のエゴイズムの深部を乾いた筆致で描き出した「幕が下りてから」「月は東に」の二つの長編を収録。なお「月は東に」には今回大幅な加筆が行なわれた。 1988/04/01 発売