第二次大戦中、物語の語り手ライダーの連隊はブライズヘッドという広大な邸宅の敷地に駐屯する。「ここは前に来たことがある」。この侯爵邸の次男で大学時代の友セバスチアンをめぐる、華麗で、しかし精神的苦悩に満ちた青春の回想のドラマが始まる。
「古昔は人のみちみちたりしこの都巴いまは悽しき様にて坐し」。ひさしぶりに再会したセバスチアンは、別人のように面変わりしていた。崩壊してゆくブライズヘッド邸とその一族ー華麗な文化への甘美なノスタルジア。英国の作家ウォーの代表作。 2009/02/17 発売