ブッデンブローク家の人びと 上
「ある家族の没落」という副題が示すようにドイツの一ブルジョア家庭の変遷を四代にわたって描く。初代当主は一八世紀啓蒙思想に鍛えられた実業家である。代を追うにつれこの家庭を、精神的・芸術的なものが支配し、次第に生活力が失なわれてゆく。
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父の死後、トーマスは新社主として商会を引き継いだ。離婚する妹、身をもち崩す弟らを抱えながらトーマスは父祖の築いた一家の名声と体面を保ち、事業にも腕を揮ってやがて市の参事会員に選ばれた。一家の血は彼によって次代に伝えられてゆくかのようであった。 1969/10/16 発売