マリー・アントワネット 下
革命の展開は急速である。王家はチュイルリー宮へ押し込められ、スパイがマリーの身辺にまでうろつく。こうなってみて初めてさとるのだった。自分が王妃として、マリア・テレサの娘として「後世という持続的な不屈なまなざし」の前に立たされたのだと。また圧倒的な力に押しつぶされぬためには、どうしても偉大でなければならぬのだと。
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マリー・アントワネット 上マリー・アントワネット 上
どこと言って非凡なところなどない人間に、歴史は大きな役割をふりあてることがある。虚名のみ高く、毀誉褒貶半ばするマリー・アントワネット。ツワイク(1881-1942)はその生涯を、あるいは王家の寝所の秘事に、あるいは国民議会の緊迫した局面にと巧みな筆運びで追い、ひとりの平凡人に凝集する壮大な歴史のドラマを展開する。 1980/06/16 発売
マリー・アントワネット(上)マリー・アントワネット(上)
フランス大革命に19年先立つ1770年、美しく愛らしいオーストリアの王女が、わずか14歳でフランス王太子に嫁いだ。待ち受ける運命の罠を知る筈もなく…。ヴェルサイユの薔薇と咲き誇り、奔放に王国に君臨したマリー・アントワネットをめぐる宮廷の陰謀、夫ルイ16世との秘話、数々のスキャンダル、真実の恋人フェルゼン伯の登場…。しかし王制打倒を叫ぶ革命の波は既にうち寄せていた。 1989/06/01 発売