四千万歩の男(五)
青年二宮金次郎と“百姓論語”を闘わせ鰹節騒動では危うく情事の罠に。とかく学問より俗事に心奪われる伊能隊、再三の“測量中止”の危機を脱し、有望な孤児や人気女形をお伴に江戸へ。忠敬が“人生二山”を生きた江戸後期の、新しい文化の旗手を多士済々に登場させ、人間忠敬とその時代を縦横に描く大作、完結。
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四千万歩の男(一)四千万歩の男(一)
忠敬は下総佐原村の婿養子先、伊能家の財をふやし50歳で隠居。念願の天文学を学び、1800年56歳から16年、糞もよけない“二歩で一間”の歩みで日本を歩き尽し、実測の日本地図を完成させた。この間の歩数、4千万歩…。定年後なお充実した人生を生きた忠敬の愚直な一歩一歩を描く歴史大作。 1992/11/01 発売
四千万歩の男(二)四千万歩の男(二)
1800年6月、忠敬が渡った蝦夷は外にロシア、内に公儀・松前家・アイヌが策略を重ね、だまし合いの地だった。陰謀家の間宮林蔵、変な剣客平山行蔵ら、敵か味方か。アイヌ青年と仲良くなった忠敬に起る、事件につぐ事件、喘息をかこつ忠敬の愚直な一歩は、血みどろ泥まみれの闘いだった。全五巻。 1992/12/01 発売
四千万歩の男(三)四千万歩の男(三)
お上の刺客をなんとかかわし、一行は八月霜柱立つニシベツで折り返した。喘息の発作に見舞われながら、息子の一途な恋に心を砕き、はたまた弟子の片思いから母娘の仇討事件に首を突っ込み、“臆病剣”達人の命の洗濯の会を開くなど、奥州百十一次、“全き善人”忠敬の一歩は事件をかい潜りかい潜り江戸へ。全五巻。 1993/01/15 発売