錨のない船(下)
母の故国アメリカの爆撃機B29を体当りで落し、自らは落下傘で生還しながら、その相貌ゆえに敵国人と間違われ竹槍で殺された良。平和はかえってきた。だが、愛も、恋も、命までも、奪われたものは戻ってこない。巨大な力が個人の意志を押し流し翻弄した暗い戦争の時代、ひたむきに生きた男たち女たちの非劇を描く。感動の歴史長編小説、全3巻。
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錨のない船(上)錨のない船(上)
太平洋戦争前夜、日米開戦回避の特命を帯びて来栖三郎はワシントンに飛んだ。だが、ルーズヴエルト大統領、ハル国務長官を相手に交渉は難航、だましうちのように、真珠湾奇襲攻撃が敢行される。三郎の努力と願いもむなしく、若者たちが殺し合わねばならない戦争へと時代は突入していく。ドキュメンタリー・タッチで描く現代史の悲劇、全3巻。 1988/02/01 発売