捨て童子・松平忠輝(1)
徳川家康の第六子である松平上総介忠輝は生まれたとき色あくまで黒く、まなじり逆さに裂けていた。長じた忠輝は「騎射人にすぐれ、両腕にうろこがあり、水泳神に通じ、剣術絶倫、化現の人なり」といわれ、二十五歳で配流され、九十二歳まで生きた。まさに異能の人である。この人物がなぜ流され、秀忠・家光・家綱・綱吉の四代の将軍のもとで、なぜ許されることがなかったか、今日でも謎である。
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伝奇小説の傑作。青年大名・忠輝と秀頼の秘事。凛々しく成長した忠輝を狙う将軍秀忠と柳生宗矩、さらに藤堂高虎らの一隊。伊達政宗・大久保長安らの防衛と自由を求める人々の死を恐れぬ熱い献身。 1989/12/01 発売
新装版 捨て童子・松平忠輝(上)新装版 捨て童子・松平忠輝(上)
捨て童子とは、この世ならぬ途方もないエネルギーを持ち、人を戦慄せしめる人物!徳川家康の第六子でありながら、容貌怪異なため、生まれ落ちてすぐ家康に「捨てよ」と言われた“鬼っ子”松平忠輝の異形の生涯を描く、傑作伝奇ロマン小説。新鮮な発想や史観、壮大なスケールで完結をみた、著者最後の長編。 2015/04/15 発売