新装版 捨て童子・松平忠輝(中)
凛々しく成長した忠輝は、越後福嶋藩の大名となる。福嶋藩のキリシタン化を企てる附家老・大久保長安には野望があった。ラテン語を理解し、南蛮医学まで修得するほどの開明的知性を持つ忠輝を将軍にしようというのだ。その能力と人望ゆえ、兄の将軍秀忠に恐れられた忠輝は、秀忠配下の柳生宗矩に狙われる。
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徳川家康の第六子である松平上総介忠輝は生まれたとき色あくまで黒く、まなじり逆さに裂けていた。長じた忠輝は「騎射人にすぐれ、両腕にうろこがあり、水泳神に通じ、剣術絶倫、化現の人なり」といわれ、二十五歳で配流され、九十二歳まで生きた。まさに異能の人である。この人物がなぜ流され、秀忠・家光・家綱・綱吉の四代の将軍のもとで、なぜ許されることがなかったか、今日でも謎である。 1989/11/01 発売
捨て童子・松平忠輝(2)捨て童子・松平忠輝(2)
伝奇小説の傑作。青年大名・忠輝と秀頼の秘事。凛々しく成長した忠輝を狙う将軍秀忠と柳生宗矩、さらに藤堂高虎らの一隊。伊達政宗・大久保長安らの防衛と自由を求める人々の死を恐れぬ熱い献身。 1989/12/01 発売