夢のあと
戦争がすべてを破壊した。しかし人々の心には、美しい希望が残されていた。激流の時代を生きた一家族を通して、日本の近代を描いた大河小説。著者自ら英語で書き下ろし、イギリス・アメリカ・オランダで出版された“EIGHT MILLION GODS AND DEMONS”を、大幅改稿した日本語版。
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夢のあと夢のあと
19歳のデイヴィナは、プロポーズされて夢見心地だった。その男性が、彼女の姉と通じていると知るまでは。裏切りに打ちのめされたデイヴィナは故郷を捨て、ロンドンに出た。2年が経ち、いまは大企業の重役ジェイクの秘書を務めている。彼はハンサムな独身とあって、恋人はいつもとびきりの美人だ。ある日、デイヴィナのもとに姉から結婚式の招待状が届く。相手は元婚約者だった。傍目にも明らかなほどうろたえた彼女は、ジェイクから問いただされたとき、つい心の内を漏らしてしまう。彼はしばらく何か考えていたが、暗く光る目でデイヴィナを見ると、こう言ったのだ。「僕が結婚式に付き添うーきみの婚約者として」 2017/09/29 発売