半七捕物帳
日本にもシャーロック・ホームズはいた。江戸の風物、人情に関する綺堂の豊かな造詣と限りない郷愁を身にまとった神田三河町の岡っ引・半七の名推理は、大衆文学史に、“捕物帳”という魅力のジャンルを拓いた。江戸ならではの怪事件の謎を通して、この街に生きた人びとの息づかいをも活写した探偵譚六十八編から、江戸市井物に才筆を振るう直木賞作家が十編を厳選、雑誌発表時の挿絵とともに贈る。
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半七捕物帳(巻の6)半七捕物帳(巻の6)
「お話はまずここらでお仕舞でしょう」と、半七老人はひと息ついた。「これに幾らかの潤色を加えると、まったく面白い小説になりそうですね」と、わたしは云った。江戸の町・風俗・生活をより深く楽しむための註・註解・地図付。正確な考証に基づく挿画。 1998/11/25 発売