半七捕物帳
彼は江戸時代における隠れたシャアロック・ホームズであったー。雪達磨の中から発見された死体。通行人を無差別に殺し続ける“槍突き”。江戸の難事件に立ち向かうは、神田三河町に居を構える岡っ引・半七。殺人、怪異、怪談。彼の推理はすべての不可思議に真実の光を当てる。今なお古びない捕物帳の嚆矢にして、和製探偵小説の幕開け。全六十九編の中から宮部みゆきが選んだ傑作集。
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日本にもシャーロック・ホームズはいた。江戸の風物、人情に関する綺堂の豊かな造詣と限りない郷愁を身にまとった神田三河町の岡っ引・半七の名推理は、大衆文学史に、“捕物帳”という魅力のジャンルを拓いた。江戸ならではの怪事件の謎を通して、この街に生きた人びとの息づかいをも活写した探偵譚六十八編から、江戸市井物に才筆を振るう直木賞作家が十編を厳選、雑誌発表時の挿絵とともに贈る。 1995/05/20 発売