死の島 上
「島」という絵を通じて相馬が知り合った女性ー広島で被爆し心と体に深い傷を負った芸術家・素子と彼女と暮らす美しく清楚な綾子、双方に惹かれてしまった彼の許に二人が広島で心中したという報せが届く。これは一日の物語であり、一年の出来事であり、一生の話であり、一人類へ与えられた悠久の啓示でもある。文学史に燦然と輝く、著者を代表する長篇小説。日本文学大賞受賞作。
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死の島 下死の島 下
生きているのか、死んでしまったのか。素子と綾子の身を案じる相馬を乗せた東京発の急行列車は夜を繋いで走り続け、京都、神戸、姫路、岡山ーと移り行く風景や車中での会話が彼の心と記憶を写し出す。そして目的地・広島着四・三六分。愛と死、原爆と平和、極限ともいえる人間の姿を斬新ながら、正統的な筆致で描いた歴史に残る長篇。日本文学大賞受賞。 2013/03/09 発売