死の島
澤登志夫、69歳。文芸編集者としてエネルギーに満ちた時代を送った。激しい恋愛の果てに妻子と別れ、痛恨の思いも皮肉に笑い飛ばして生きてきたー彼を崇拝する26歳の宮島樹里の存在が、澤の過去と現在を映し出す。プライド高く生きてきた男が余命を知って辿り着いた、荘厳な企み。この尊厳死は罪かー現代をゆさぶる傑作長編。
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死の島 上死の島 上
「島」という絵を通じて相馬が知り合った女性ー広島で被爆し心と体に深い傷を負った芸術家・素子と彼女と暮らす美しく清楚な綾子、双方に惹かれてしまった彼の許に二人が広島で心中したという報せが届く。これは一日の物語であり、一年の出来事であり、一生の話であり、一人類へ与えられた悠久の啓示でもある。文学史に燦然と輝く、著者を代表する長篇小説。日本文学大賞受賞作。 2013/02/09 発売