女人源氏物語(第5巻)
光源氏の死から10年の歳月が流れた。源氏の子ではあるが出生の秘密に悩む、厭世的でストイックな薫君。源氏の孫にあたる好色で闊達な匂宮。川霧のたちこめる宇治に隠れ棲む、源氏の異母弟、八の宮と娘たち、大君と中の君。そして異母妹、浮舟。二人の青年の愛の波間にたゆたう姫君たちの哀しい恋のゆくえはー。光源氏をめぐるヒロインたちの華麗で多彩な愛のかたちを描ききる、瀬戸内源氏の完結。
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比類なき美貌と知性を合せ持つ宮廷1の貴公子、光源氏とさまざまな女人たちの恋物語。千年の時を超え読みつがれる華麗なる王朝絵巻「源氏物語」。とばりの奥深く秘められた、愛の恍惚と苦悩を、女人たち自身のモノローグで紡ぎ出す鮮烈な「瀬戸内源氏」の世界。本巻では理想の男性・光源氏の誕生。亡き母の面影を慕う源氏はついに父帝の女御と罪深い1夜の逢瀬を持つ。年上の女人に魅かれる青年の情熱。 1992/09/01 発売
右大臣の末娘で弘徽殿女御の妹、朧月夜の君は花の宴の夜、光源氏と出会い、恋に陥る。やがてこの帝の寵妃との大胆な密会が政敵右大臣方に発覚したことを知った源氏は、都落ちを決意する。2年余りの流謫の地・須磨で結ばれた明石上。美しく優雅に成長した紫上。悲しい恋の回想とともに果てる六条御息所…。愛の理想を追い求める源氏に恋した女人たちの、歓喜と憂愁に満ちた魂の叫び。 1992/09/01 発売
冷泉帝の実の父として公には並ぶ者なき権力の座につき、四季になぞらえた館をもつ広大な六条院には紫上、花散里、明石上、秋好中宮と愛する女人たちを配して、今や源氏の栄華は無上のものとなった。かつて愛した夕顔の忘れ形見、玉鬘の帰還。葵上との間に生れた夕霧と雲居雁の幼い恋の成就。そんな折、源氏に朱雀院の皇女三の宮が降嫁されることになり六条院の平隠な暮しに波紋が投げかけられる。 1992/10/01 発売