7編の連作短編を通して〈笑い〉と〈忘却〉というモチーフが繰り返しバリエーションを奏でながら展開され、精緻なモザイクのように編み上げられる、変奏形式の小説。クンデラ文学の原点。
党の修正により、となりの男に貸した帽子を除いて、すべての写真から消滅した男。一枚の写真も持たずに亡命したため、薄れ行く記憶とともに、自分の過去が消えてしまうのではないかと脅える女…。〈笑い〉と〈忘却〉というモチーフが、さまざまなエピソードを通して繰り返しヴァリエーションを奏でながら展開され、共鳴し合いながら、精緻なモザイクのように構成される物語。 1992/04/01 発売