樹海(下巻)
夫が突然帰国した。しかし染子は何の感動も覚えないどころか、夫に憎しみさえ感じていた。“私の愛は見事に破れた。女の大切な季節がただ空しく過ぎていく”彼女はその夜、夫の求めを手厳しくはねつけた。夫には妻の反逆の理由がどうしてもわからなかった。やがて、自立した生活を求めて家を出た染子は兄の友人に惹かれていく…。新しい人生を選びとっていく女性の姿を描く。
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商社マンの夫が単身でニューヨークに赴任して5年。空虚な思いを胸に、幼い子供たちと留守を守る染子は、夫にアメリカ人の情人がいることを知った。“私は彼にとって、家庭の調度品のひとつに過ぎないのか。自分の心に素直に生きたい”染子はエレクトーンを教え始めるが、生徒である青年が彼女に近づいて来た…。海外駐在エリート商社マンの妻の愛と苦悩を鮮麗に描く。 1988/02/01 発売