晩秋(上巻)
「ハハ シンゾウホッサ」の電報で急遽帰国した息子のわたしを待っていたのは、呆然としている父親だった。父は身の回りのことすべてを母に頼って暮してきた。車の運転も、着替えも、電話さえ一人で掛けたことがない。わたしは父を自立させる計画を立てたが老い、死の恐怖、世代断絶への焦燥など、誰も避けて通れない重い主題と真正面から取り組む。
関連小説
晩秋(下巻)晩秋(下巻)
父は簡単な料理を作れるまでになった。退院した母を看ながらの毎日も、順調のように思われた。しかし、身体の不調を訴えて検査入院した父が、病気への恐怖から、突然痴呆症になる。病院の処置に憤ったわたしは強引に父を帰宅させるが、病人との生活は想像以上に厳しかった。-現代社会が克服しなければならない大きな問題を捉え、家族の姿と生きることの意味を問う、愛と感動のドラマ。 1990/03/01 発売
晩秋晩秋
私立探偵スペンサー・ブームに火をつけた代表作『初秋』から十年-十五歳の少年だったポール・ジャコミンはみごとに自立してダンサーになり、ガールフレンドのペイジとの結婚を考えていた。だが、遊び好きの母親パティとの連絡がとれず、困り果てた彼は、父のように慕うスペンサーに母親の行方を捜してほしいと頼む。男がいないと生きていけない彼女は、案の定、リッチ・ボーモントというチンピラと付き合って、さいきん駆け落ちしていた。しかも、その男はギャングの親玉ジョウ・ブロズの息子ジェリイの仲間で、百万ドルをこえる組織の金を持ち逃げし、命を狙われていた。失踪した二人を追って、ギャング組織とスペンサーとのつばぜりあいが始まる。親と子の絆、男と女の永遠の結びつき、探偵の生い立ちを物語る、人気シリーズ第18作。 1992/03/01 発売