小説むすび | 晩秋(上巻)

晩秋(上巻)

晩秋(上巻)

「ハハ シンゾウホッサ」の電報で急遽帰国した息子のわたしを待っていたのは、呆然としている父親だった。父は身の回りのことすべてを母に頼って暮してきた。車の運転も、着替えも、電話さえ一人で掛けたことがない。わたしは父を自立させる計画を立てたが老い、死の恐怖、世代断絶への焦燥など、誰も避けて通れない重い主題と真正面から取り組む。

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