白い犬とワルツを
長年連れ添った妻に先立たれ、自らも病に侵された老人サムは、暖かい子供たちの思いやりに感謝しながらも一人で余生を生き抜こうとする。妻の死後、どこからともなく現れた白い犬と寄り添うようにして。犬は、サム以外の人間の前にはなかなか姿を見せず、声も立てないー真実の愛の姿を美しく爽やかに描いて、痛いほどの感動を与える大人の童話。
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ここに描かれた老夫婦のあいだにも生涯をかけたロマンスがあった。その片方が欠けたとき、残された者は、どのような死を迎えればいいのか-。孤独な人生の同伴者として老人の生をじっと見守る白い犬とは。幻想的なこの小説には、真実を越えた真実がある。痛いほどにやさしい詩的小説世界。 1995/03/25 発売