懐郷
安保闘争で負った癒えることのない傷、時代に取り残されても捨てられない故郷への執着、基地が撤退しても消せない米兵への恋慕…熱い想いを抱き、戦後転換期の巨流に翻弄されながらも、強くしなやかに人生を守り抜いた女たちを描く傑作短編集。
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仙台駅駅裏へと続くX橋。その路地にいつも立つ街娼がいた。あと数カ月で米軍基地が消える。数え切れない米兵と寝た淑子が見つけた、たったひとつの恋ー「X橋にガール」。海で命を落とした仲間の海女の夫と再婚した妙子。ロープが岩に絡まり、海底で身動きができなくなった時に聴こえた磯笛の音色はー「磯笛の島」。昭和三十年代をひたむきに生きた女性たち。珠玉の短編七編。 2008/02/28 発売