十五歳で処女を喪い、芸者、女中、娼婦、妾と、男から男へ、店から店へ、転々としつつ、ついにあの事件を起こした伝説の“悪女”、阿部定。転落していく女の軌跡を描く連作短篇集。
欧州から帰朝した洋画家湯川譲二は、毎日手紙を寄越す不思議な女に翻弄されるうちに女は失踪。女の友人つゆ子と捜索の旅に出た譲二はつゆ子に魅かれるが、さらに湯浅の絵のファンだという女学生とも子が現れ…。画家・東郷青児をモデルにした宇野千代(1897-1996)の代表作。現代恋愛小説の白眉。 2019/02/16 発売