プリズムのように眩しく複雑な光を放つサガンの小説世界。この物語は、まるで水彩絵具のように薄く淡い血をもった1人の男の愛の悲喜劇…。
映画監督コンスタンチンは25年ぶりにハリウッドを去り祖国ドイツの依頼で、ナチ占領下のフランスにいる。長年の夢「パルムの僧院」を映画にするため、愛すべき妻ワンダと若者ロマーノをまじえスタッフと共に南仏プロヴァンスで撮影に熱中していた。楽天家の彼に、忘れていた遠い昔の両親と自殺した姉の過去が去来する…。コンスタンチンと妻とロマーノの「愛と自由」への道を描く長編。 1994/02/25 発売