惑う星
地球外生命を探る研究者シーオの幼い息子ロビンは、母アリッサの急逝で情緒不安定になっていた。シーオは、妻の知人が取り組むfMRI(機能的磁気共鳴映像法)を用いた実験に息子を参加させる。生前のアリッサが残した脳のスキャンデータを元に、母の感情をロビンに追体験させ、彼の精神を解放しようというのだ。その効果は目覚ましく、ロビンは周囲が驚くほどの聡明さを発揮し始め、母が生涯をかけて取り組んだ動物保護への意識も研ぎ澄まされていく。彼の眼には、人間がこの惑星にとって有害と映っていたーブッカー賞最終候補作。