トマス・ピンチョン全小説 重力の虹[下]
世界文学史上に空前の伝説を刻んだ33万語、100万字超の巨篇ーー新訳成る! 耳をつんざく叫びとともに、V2ロケット爆弾が空を切り裂き飛んでくる。ロンドン、一九四四年。情報局から調査の命を受けたスロースロップ中尉はーー。 ピューリッツァー賞が「卑猥」「通読不能」と審査を拒否した超危険作にして、今なお現代文学の最先端に屹立する金字塔がついに新訳。詳細な註と膝を打つ解説、索引を付す。
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「一筋の叫びが空を裂いて飛んでくる。」V2ロケットが超音速で落ちてくる。突然の死をもたらすナチの新型兵器の恐怖が覆うロンドン、1944年。その調査に当たる主人公スロースロップが作成するのは謎のナンパ地図。やつは予知が出来るのか、それともロケットが呼ばれるのか。因果の逆転、探求の旅の始まり。キーワードは…“勃起”!ロケットはペニスか。バナナはロケットか。歴史小説?科学小説?ミステリ?ポルノ?ギャグ?SF?ファンタジー?カテゴリーなど飛び越えて、物理数学工学などほんの序の口、神話に宗教、経済学に心理学、革命に暴力に陰謀史観、セックス・ドラッグ・ロックンロールのカウンター・カルチャーに女装や男色、ボンデージ、フェティッシュ鞭にロリータ超能力やら降霊術、自動書記に怪盗スパイに海賊アナキスト…天才作家の百科全書的な知の坩堝から立ち昇る、「虹」の彼方には何が見えるのかー? 2014/09/30 発売