イリアム
はるか数千年もの未来、地球化された火星のオリュンポス山のふもとに住む学者ホッケンベリーは、イリアムの平原でギリシア神話の神々や英雄たちがホメーロスの『イーリアス』さながらに戦うトロイア戦争を観察していた。神々にナノテクで復活させられたホッケンベリーは、この戦争の記録をとらされていたのだ。だが、彼は思いもよらぬ使命をある女神からさずかる。地球でわずかに生き残っている人類は、仕事も学問もせず、衣食住のあらゆることを自動機械の下僕たちに任せ、享楽的な生活を送っている。この世界の仕組みに疑問をもった男ハーマンやその友人アーダとディーマンは、世界の謎をつきとめるべく旅に出た。木星の衛星エウロパに住む半生物機械モラヴェックのマーンムートは、イオのオルフらとともに、火星探検隊の一員として、火星へと向かった。地球化された火星で起こっている異常な量子擾乱の原因を調査しようというのだが…。「ハイペリオン」四部作で人気のシモンズが、ギリシア神話とSFをみごとに融合させた二部作の第一弾。ローカス賞受賞作。
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遥か数千年もの未来、地球化された火星のオリュンポス山の麓に住む学師ホッケンベリーは、ギリシア神話の神々やアキレウスら英雄たちが、ホメーロスの『イーリアス』さながらに戦うトロイア戦争の動静を観察していた。しかし、ある女神に召し出され、思いもよらない使命を受けたときから、一介の学師ホッケンベリーの運命は大きく狂い出す…。現代SF界の巨匠シモンズが圧倒的なスケールで贈る新叙事詩シリーズ開幕篇。 2010/04/15 発売