芥川賞全集 第十九巻
昭和十年に始まった芥川賞が百一回を迎えたのは、日本近代文学の流れによりそうかのように、奇しくも時代が昭和から平成へと移ったときでした。第百回までの全受賞作を収録して好評を博した第一期・第二期十四巻に引き続き、文芸春秋八十周年記念出版として刊行される芥川賞全集第三期五巻は、新時代の文学の息吹を生き生きと伝える第百二十五回までの受賞作二十九篇を収録、既刊同様、選評、受賞者のことば、自筆年譜を併載しています。
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終戦前後、日本人少女と中国人親子の交流を清冽に描き上げた加藤幸子氏の「夢の壁」。現実の事件を引金に自由な劇的空間を遊泳する唐十郎氏の「佐川君からの手紙」。無気力な弟を追憶しつつ生の儚さを追究した笠原淳氏の「杢二の世界」。非行に染まる女子高生に近づく優良女生徒の友情を通して揺るぎない人間観を明示した高樹のぶ子氏の「光抱く友よ」。診療を一切拒否して癌にたおれる叔母への心の揺れを丹念に追った木崎さと子氏の「青桐」。第88回ー第93回受賞作。 1989/01/31 発売
芥川賞全集 第十四巻芥川賞全集 第十四巻
芥川賞100回記念出版。全受賞作家の名作、出世作を総集する待望の全集。第1回受賞作、石川達三氏の「蒼氓」から第100回受賞作に至るまで、文学史上にその名を留める不朽の作品群。芥川剰選評・受賞者のことば・年譜収録。 1989/05/31 発売