太公望 下
ひとを神々に贄として捧げる、そんないまわしい時代は去らしめねばならぬ。諸侯の協力を得て、周公を獄から救いだした望は、さらに機略を尽し周召同盟を成立させる。ここに叛意はととのった、宿望の日である。決戦の朝、牧野は清々しく晴れていた。未到の時空の光と風を甦らせる宮城谷文学の金字塔、完結篇。
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望は貴門を超えるか。貴門を貴族と考えれば、それを超えるのは王侯のみである。奴隷をのぞいて、この世で最下級にいる一男子が、君主になるかもしれない。小魚が虹橋を渡って龍と化す、そんなことが千載に一度はあるかもしれない。 1998/06/17 発売
太公望 上太公望 上
羌という遊牧の民の幼い集団が殺戮をのがれて生きのびた。年かさの少年は炎の中で、父と一族の復讐をちかう。商王を殺すー。それはこの時代、だれひとり思念にさえうかばぬ企てであった。少年の名は「望」、のちに商王朝を廃滅にみちびいた男である。中国古代にあって不滅の光芒をはなつこの人物を描きだす歴史叙事詩の傑作。 2001/04/10 発売