乳房
愛しい妻は癌に冒されていた。その現実から逃れるように夜の街へ出た「私」が、病室に戻って妻と眺めた月は…。何気ない会話の中に潜む情愛。平成3年、第12回吉川英治文学新人賞を受賞し、作家としての評価を確立した、珠玉の短篇集。表題作ほか、「くらげ」「残塁」「桃の宵橋」「クレープ」の全5篇を収録。
関連小説
乳房乳房
妻と病室の窓から眺めた満月、行方不明の弟を探しに漕ぎ出た海で見た無数のくらげ、高校生に成長した娘と再会して観た学生野球…。せつなく心に残る光景と時間が清冽な文章で刻み込まれた小説集。表題作の他「くらげ」「残塁」「桃の宵橋」「クレープ」と名篇を収録し、話題を呼んだ直木賞作家の、魂の記念碑。 1993/09/15 発売