がらんどうの男
ある日食堂に入ってきた男は昔アフリカで殺したはずの男だった。「豹男に生き返らされたんだ」と語るその男は不吉な気配を漂わせていた…。トマス・バーク「がらんどうの男」をはじめ、隠退した医師を毎夜脅かすインド人の幽霊、コナン・ドイルの医学奇譚「茶色い手」、アルプス登山の姉弟を誘う死者からの手紙、邪悪な霊の侵入を描いて迫真のアン・ブリッジ「遭難」、アイルランドの民間伝承に材を採ったJ・S・レ・ファニュ「妖精にさらわれた子供」、H・R・ウエイクフィールドの精妙きわまる怪異譚「チャレルの谷」他、ハリファックス卿「ボルドー行の乗合馬車」、ニール・ミラー・ガン「時計」、レディ・ディルク「死神の霊廟」、J・H・リドル夫人「エニスモア氏の最期」、ニュージェント・バーカー「ウエッソー」、オリヴァー・オニオンズ「事故」、E・F・ベンスン「閉ざされた部屋」、いずれ劣らぬ恐怖の名匠たちの怪奇と幻想の物語全12篇。