小説むすび | 愛の裏側は闇(1)

愛の裏側は闇(1)

愛の裏側は闇(1)

「ねえ、ぼくたちの恋は本当にうまくいくと思う?」1960年春、シリア。ムシュターク家のファリードとシャヒーン家のラナーは、一族の者に隠れて逢瀬を続けていた。十二歳で出会ってすぐ、恋に落ちたふたり。しかし片田舎のマーラ村に住む両家は、何十年ものあいだ血で血を洗う争いを続ける仇敵同士だったのだ。一方、1969年のダマスカスで、礼拝堂の壁にぶら下げられた篭の中から、首の骨を折られた男の死体が発見される。殺害されたのは秘密警察官のマフディ・サイード少佐で、胸ポケットには謎めいた文章が書かれた灰白色の紙が残されていた。ふたつの物語の断片に、一族の来歴、語り部による哀話や復讐譚を加えて構成された全304章が、百年にわたるシリアの人々・風土・文化が埋め込まれた壮大なモザイク画となる。今世紀最大級の世界文学第一巻!

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