小説むすび | 愛の裏側は闇(2)

愛の裏側は闇(2)

愛の裏側は闇(2)

1953年、シリア。片田舎のマーラ村で権勢を誇るムシュタークの一族に生まれたファリードは、村の記憶が深く刻まれた楡の老樹を燃やした罪を着せられ、寄宿制の修道院学校に入れられてしまう。アラビア語を禁止され、本名を使うことさえ許されず、厳しい労働やリンチ、嫌がらせ、そして孤独に耐えつづける日々。だがそこで、修道士のガブリエルや上級生のブーロスに助けられ、彼らを支えとするようになる。これが、ファリードの人生にとって重大な出会いだとも知らずに。家族の愛情と友情、笑い声に満ちた明るい幼年期と、恋人や家族と引き離され、孤独と絶望に覆われた修道院生活を送る少年時代。一族の繋がりと運命に翻弄されながらも懸命に成長する少年の姿を描く第二巻。

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