赤毛のレドメイン家【新訳版】
六月半ばの日暮れどき、ダートムアの採石場で、スコットランド・ヤードの敏腕刑事ブレンドンは、絶世の美女とすれ違った。それから数日後、ブレンドンはその女性から助けを請う手紙を受けとる。夫が、彼女の叔父のロバート・レドメインに殺されたらしいというのだ……。レドメイン家をめぐる奇怪な事件は、美しい万華鏡のようにその姿を変化させつづけ、やがて驚愕の真相へーー。江戸川乱歩が激賞した名作が満を持して新訳で登場!
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謎を秘めて妖しく輝く火星に、ガス状の大爆発が観測された。これこそは6年後に地球を震撼させる大事件の前触れだった。ある晩、人々は夜空を切り裂く流星を目撃する。だがそれは単なる流星ではなかった。巨大な穴を穿って落下した物体から現れたのは、V字形にえぐれた口と巨大なふたつの目、不気味な触手をもつ奇怪な生物ーー想像を絶する火星人の地球侵略がはじまったのだ! かつてジョージ・パルが映画化し、スティーブン・スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演で再度の映画化が果たされた傑作。初出誌〈ピアスンズ・マガジン〉の挿絵を精選、多数採録して贈る。訳者あとがき=中村融 2005/06/01 発売
「鞭打倶楽部」とは?そして、景品となる十六の赤毛の処女クララの運命は? この破天荒すぎる小説は、発禁処分となったアノ『エロエロ草紙』の代替え企画です。コレも発禁されてはたまらないと、作者の酒井潔が、あくまでも翻訳ですと言い張って世に放った問題作。今、80年の時を経て、新装完全復刻版として平成の世に甦る! ●国立国会図書館でもデジタル公開されていない秘蔵本! ※まずは、コノ唖然ボーゼンする目次を見てください! ・第一章 「魅惑と雷鳴の下で」 「人間の賭け物」「奇怪な勝負」「裏切って売る」 ・第二章 「農園主邸の騒宴」 「鞭打の手練」「生意気な奴隷の懲罰」「暖かい思ひ」 ・第三章 「狂女の悲恋」 「新らしい刺戟を追ふて」「奇想天外の計企」 ・第四章 「裸美競艶」 「美女の競争」「残酷な折檻」「敗者の厳罰」「困難な選択」 ・第五章 「虐げられた処女」 「人肉の相場」「弗に代へて」 ・第六章 「大景品の公開」 「女の二頭立」「狂女とブロンド女」「特志家の群集」 ・第七章 「生きている壷」 「赤字の番号」「狂女の駆る美人戦車」「車輪の下に踏みにぢらるる」 2014/02/20 発売
古書価格の高騰で「読みたくても読めなかった小説No.1」とも言われ、日本戦後文学史の中に埋没してしまった「ポストモダン小説」の怪作が、読みやすくなった新たな組版(1段組)かつ新装幀で甦る! ドストエフスキー、ゴーゴリ、カフカ、聖書、永井荷風などを俎上に載せ、アミダクジ式に話を脱線させながら読者を迷宮へと誘い込む「インターテクスチュアリティ」の極北は……まさかの官能小説? キャンパスノベル? 妄想ミステリー? 堂々の680ページ&原稿用紙1700枚! ◉巻末付録 作者解読:多和田葉子 作品解読:坪内祐三 ◉愛蔵版特典 1著者が愛用した落款による検印入り 2未発表作品を含む8作のレプリカ生原稿による別冊写真集(32頁)を同梱 ◎壁の中 第一部 《贋地下室》=空中にとび出した地下の延長の行き止り 第二部 『濹東綺譚』の作者と《贋地下室》の住人との対話 ◎付録 作者解読「再読 後藤明生ーー小説『街頭』」多和田葉子 作品解読「『壁の中』は素晴らしいキャンパスノベルだ」坪内祐三 ◉愛蔵版特典 1著者が愛用した落款による検印入り 2未発表作品を含む8作のレプリカ生原稿による別冊写真集(32頁)を同梱 2017/12/24 発売
〈黒後家蜘蛛の会〉での謎解きの宵は、名給仕にして名探偵であるヘンリーのもてなしさながら、読む者に心地よいひと時をもたらす。著者自身が誰よりも楽しんで書いた連作ミステリは、ほかでは得がたい魅力に満ちている。第5巻には、万単位の蔵書から愛書家が遺贈した一冊の本の書名を当てる「三重の悪魔」、アシモフの実体験をそのまま作品化した「待てど暮らせど」、いっぷう変わった密室の謎に挑戦した「秘伝」など全12編を収録。 2018/12/12 発売
「未解決の謎か」--ある夜、ミス・マープルの家に集った客が口にしたその言葉がきっかけで、〈火曜の夜〉クラブが結成された。毎週火曜日の夜、ひとりが個人的に知っている謎を提示し、ほかの五人が推理を披露するのだ。凶器なき不可解な殺人「アシュタルテの祠」、動機と機会の奇妙な交錯「動機対機会」など傑作ぞろいの13 編。ミステリの女王クリスティの生んだ名探偵として、エルキュール・ポワロと双璧を成すミス・マープル。いまなお世代を超えて愛される名探偵が初めて読者の前に登場した短編集が、新訳でリニューアル! 2019/01/12 発売
「だいたいお前さん達は想像力ってもんが足りなさすぎるよ、新聞や雑誌にひょいひょい乗せられて、やれ空飛ぶ人だ空中散歩者だってはしゃいでるんだからーーもう少し頭使って自分の考えで物を云いなさいよ」そう言い放ったこの、仔猫みたいなまん丸い目をした童顔の小男こそ、名探偵猫丸先輩その人である。コミカルな筆致と切れ味鋭いロジックで読者を魅了し続ける本格推理作家、倉知淳の第一作品集。デビュー25周年を祝し新版刊行開始! 2019/01/30 発売
メタン液の海とアンモニア氷とに覆われ、地球の700倍の重力を持つ巨大惑星メスクリンは、人類の探検を許さない未知の世界だった。そこに座礁したロケットを調査するため、地球人とメスクリン人のあいだに取引が成立する。長さ40センチ、36本足、体重100キロほどのシャクトリムシ形をしたメスクリン人は、何の目的で、この危険な仕事を無報酬同然でひきうけたのか? 異生物ハードSFの里程標的傑作。 2019/01/30 発売
チャールズは切羽詰まっていた。父から受け継いだ会社は不況のあおりで左前、恋しいユナは落ちぶれた男など相手にしてくれない。叔父アンドルーに援助を乞うも、駄目な甥の烙印を押されるばかり。チャールズは考えた。叔父の命、または自分と従業員全員の命、どちらを選ぶのか。身の安全を図りつつ遺産を受け取るべく、計画を練り殺害を実行に移すチャールズ。快哉を叫んだのも束の間、フレンチ警部という名の暗雲が漂い始める。『樽』と並ぶクロフツの代表作、新訳決定版。 2019/02/20 発売
長閑な夏の昼下がり、田舎の名士の屋敷、赤い館で銃声が轟いた。死んだのは、15年ぶりに館の主マークを訪ねてきた兄。発見したのは館の管理を任されているマークの従弟と、友人を訪ねてきた青年ギリンガムだった。発見時の状況から当然マークに疑いがかかるが、マークは行方知れず。興味をひかれたギリンガムは、友人をワトスン役に事件を調べ始める。『クマのプーさん』で有名な英国の劇作家ミルンが書いた長編探偵小説、新訳決定版。 2019/03/20 発売
邪険な扱いしかしなかった亡き妻に謝罪したいーー一代で財を成した傑物、方城兵馬の願いを叶えるため、長男の直嗣が連れてきたのはなんと霊媒師。自宅で降霊会を開いて霊魂を呼び寄せようというのだ。霊媒のインチキを暴こうとする超常現象の研究者までもが乱入し騒然とする中、兵馬が密室状態の離れで撲殺される。霊媒は方城家に悪霊が立ち籠めていると主張、かくて調伏のための降霊会が開かれるが、その席上で第二の惨劇が起きた。名探偵猫丸先輩がすべての謎を解き明かす、本格推理小説の雄編。 2019/03/20 発売
鋭敏な推理力を持つ引退した俳優ドルリー・レーンは、ニューヨークの路面電車で起きた殺人事件への捜査協力を依頼される。ニコチン毒を塗ったコルク球という異様な凶器が使われた、あまりにも容疑者が多い難事件から、ただひとりの犯人Xを指し示すべく、名探偵は推理と俳優技術のかぎりを尽くす。巨匠クイーンがバーナビー・ロス名義で発表した、本格ミステリ史に燦然と輝く〈レーン四部作〉の開幕を華々しく飾る、傑作中の傑作。 2019/04/24 発売
バロネス・オルツィの「隅の老人」、オースティン・フリーマンの「ソーンダイク博士」と並ぶ、あまりにも有名な“シャーロック・ホームズのライバル”。本邦初訳16篇、単行本初収録6篇! 初出紙誌の挿絵120点超を収録! 著者生前の単行本未収録作品は、すべて初出紙誌から翻訳! 初出紙誌と単行本の異同も詳細に記録! シリーズ50篇を全二巻に完全収録! 詳細な訳者解説付。 隅の老人シリーズは、一作を除いて全作品が単行本に収録されているのに比べ、思考機械は多くの作品が単行本未収録のまま、作品数がどれだけあるかもはっきりしない時代が長かった。今回全作品を収録するとともに、作品数を確定し、版による異同も確認をした。おそらく、英米で出回っている思考機械の書籍よりも詳しい内容だろう。 思考機械シリーズは、フットレルの生前に短篇集が二冊、長篇が一冊、一篇のみを収録した本の計四冊が単行本になっているが、はるかに単行本未収録作品のほうが多い。現在海外では数種類の「思考機械全集」が出版されているが、ほとんどは出典が明示されておらず、また解説もないといっても過言ではない。本書では(…)初出雑誌に当たった。単行本に収録されている場合はそちらを決定稿とみなし、それらと雑誌初出時との異同を指摘した。また、生前に単行本未収録の作品は、雑誌初出版を決定稿とした。さらに、作品によっては入手したイギリスでの雑誌初出版との違いがあるので、その場合には、それも指摘している。またメイ夫人の協力のもと、二十世紀半ばの「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」に数篇が掲載されたが、これらとの異同も確認した。(平山雄一「訳者解説」より) 【第一巻内容目次】 十三号独房の問題/ラルストン銀行強盗事件/燃え上がる幽霊/大型自動車の謎/百万長者の赤ん坊ブレークちゃん、誘拐される/アトリエの謎/赤い糸/「記憶を失った男」の奇妙な事件/黄金の短剣の謎/命にかかわる暗号/絞殺/思考機械/楽屋「A」号室/黄金の皿を追って/モーターボート/紐切れ/水晶占い師/ロズウェル家のティアラ/行方不明のラジウム/訳者解説 【第二巻内容目次】 オペラボックス/失われたネックレス/嫉妬する心/完璧なアリバイ/幽霊自動車/呪われた鉦/茶色の上着/にやにや笑う神像/余分な指/偉大な論理家との初めての出会い/紐の結び目/絵はがきの謎/盗まれたルーベンス/三着のオーバーコート/オルガン弾きの謎/隠された百万ドル/タクシーの謎/コンパートメント客室の謎/バツ印の謎/女の幽霊の謎/銀の箱/囚人九十七号/空き家の謎/赤いバラの謎/消えた男/壊れたブレスレット/妨害された無線の謎/救命いかだの悲劇/無線で五百万/科学的殺人犯人/泥棒カラス/巨大なスーツケースの謎/訳者解説 2019/05/10 発売
ポイズンヴィルは鉱山会社社長の大物が労働争議対策として集めたギャングたちによって、支配され汚濁に満ちた市(まち)になっていた。その浄化を望む男に呼ばれたコンティネンタル探偵社の私が市に着いた途端に、その男は殺されてしまう。その男の父親である鉱山会社社長がそのまま、市の浄化を私に依頼した! 銃弾飛び交う、血で血を洗う抗争を巧みに利用しながら私は市の毒に挑んだ。ハードボイルドの巨匠ハメットの長編デビュー作を名手の翻訳で。 2019/05/31 発売
ある時は珍獣アカマダラタガマモドキの捜索隊員、ある時は松茸狩りの案内人、ある時は新薬実験モニター、そしてある時は戦隊ショーの怪人役ーーいっぷう変わったアルバイトに明け暮れる名探偵、猫丸先輩が遭遇した五つの事件。猫コンテスト会場での指輪盗難事件と愉快なドタバタ騒ぎを描いた「猫の日の事件」、意外な真相が爽やかな余韻を呼ぶ「たたかえ、よりきり仮面」ほか三編を収録。謎解きの面白さが横溢した著者の真骨頂。 2019/05/31 発売
ロンドン近郊の由緒ある屋敷〈白い僧院〉でハリウッドの人気女優マーシャ・テイトが殺害された。周囲は百フィートにわたって雪に覆われ、発見者の足跡以外に痕跡を認めない。事件前マーシャに毒入りチョコレートが届くなど不穏な雰囲気はあった。甥が〈白い僧院〉の客だったことから呼び寄せられたヘンリ・メリヴェール卿は、たちどころに真相を看破する。江戸川乱歩が「カーの発明したトリックの内でも最も優れたものの一つ」と激賞した本格ミステリの名作。 2019/06/28 発売
「内向の世代」を代表する小説家・後藤明生の代表作にして「日本現代文学の傑作」とも評される小説『挾み撃ち』。しかし、「面白い!」と魅了される人々の一方で、「まったく理解できない!」と困惑する読者も少なくない。小説『挾み撃ち』の面白さの根源は何か?--。本書では、本作とともに、蓮實重彦、平岡篤頼、奥泉光&いとうせいこう、多岐祐介といった文芸評論の重鎮が、それぞれの視点で『挾み撃ち』を解説。解説だけで約80ページも! 多様な角度からの読解で、この「日本現代文学の傑作」の魅力に迫る。 ●挟み撃ち ●解説 【1】多岐祐介:方法の解説 【2】奥泉光・いとうせいこう:文芸漫談『挟み撃ち』を読む 【3】平岡篤頼:行き場のない土着 【4】蓮實重彦:『挟み撃ち』または模倣の創意 2019/07/02 発売
大資産家の妻を目指して、知性と打算の見事な結晶の手紙を送ったドイツ人女性ヒルデガルト。手紙が功を奏してカンヌに呼ばれた彼女は、資産家の妻の座を前に秘書の男から、ある申し出を受ける。そこには、思いも寄らぬ企みが隠されていた。これ以上ないほど精緻に仕組まれた完全犯罪小説。これからこの一冊に出会う皆さんは幸せです。素晴らしい楽しみが待っています。ミステリ史上に燦然と輝くフランス発の傑作ミステリを新訳で。 2019/07/30 発売
バロネス・オルツィの「隅の老人」、オースティン・フリーマンの「ソーンダイク博士」と並ぶ、あまりにも有名な“シャーロック・ホームズのライバル”。本邦初訳16篇、単行本初収録6篇! 初出紙誌の挿絵120点超を収録! 著者生前の単行本未収録作品は、すべて初出紙誌から翻訳! 初出紙誌と単行本の異同も詳細に記録!シリーズ50篇を全二巻に完全収録!詳細な訳者解説付。 隅の老人シリーズは、一作を除いて全作品が単行本に収録されているのに比べ、思考機械は多くの作品が単行本未収録のまま、作品数がどれだけあるかもはっきりしない時代が長かった。今回全作品を収録するとともに、作品数を確定し、版による異同も確認をした。おそらく、英米で出回っている思考機械の書籍よりも詳しい内容だろう。 思考機械シリーズは、フットレルの生前に短篇集が二冊、長篇が一冊、一篇のみを収録した本の計四冊が単行本になっているが、はるかに単行本未収録作品のほうが多い。現在海外では数種類の「思考機械全集」が出版されているが、ほとんどは出典が明示されておらず、また解説もないといっても過言ではない。本書では(…)初出雑誌に当たった。単行本に収録されている場合はそちらを決定稿とみなし、それらと雑誌初出時との異同を指摘した。また、生前に単行本未収録の作品は、雑誌初出版を決定稿とした。さらに、作品によっては入手したイギリスでの雑誌初出版との違いがあるので、その場合には、それも指摘している。またメイ夫人の協力のもと、二十世紀半ばの「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」に数篇が掲載されたが、これらとの異同も確認した。(平山雄一「訳者解説」より) 【第一巻内容目次】十三号独房の問題/ラルストン銀行強盗事件/燃え上がる幽霊/大型自動車の謎/百万長者の赤ん坊ブレークちゃん、誘拐される/アトリエの謎/赤い糸/「記憶を失った男」の奇妙な事件/黄金の短剣の謎/命にかかわる暗号/絞殺/思考機械/楽屋「A」号室/黄金の皿を追って/モーターボート/紐切れ/水晶占い師/ロズウェル家のティアラ/行方不明のラジウム/訳者解説【第二巻内容目次】オペラボックス/失われたネックレス/嫉妬する心/完璧なアリバイ/幽霊自動車/呪われた鉦/茶色の上着/にやにや笑う神像/余分な指/偉大な論理家との初めての出会い/紐の結び目/絵はがきの謎/盗まれたルーベンス/三着のオーバーコート/オルガン弾きの謎/隠された百万ドル/タクシーの謎/コンパートメント客室の謎/バツ印の謎/女の幽霊の謎/銀の箱/囚人九十七号/空き家の謎/赤いバラの謎/消えた男/壊れたブレスレット/妨害された無線の謎/救命いかだの悲劇/無線で五百万/科学的殺人犯人/泥棒カラス/巨大なスーツケースの謎/訳者解説 2019/07/30 発売
ポルトガルの詩人、ペソア最大の傑作『不安の書』の完訳。 装いも新たに、待望の復刊! 旧版の新思索社版(初版2007年、第3刷2012年)より断章6篇、 巻末に「断章集」を増補。 生前は文壇の一部を除いて、 無名の存在であったフェルナンド・ペソア(1888–1935)。 没後、大型の収納箱に残された膨大なテクストにより、 20世紀前半のヨーロッパを代表する詩人・作家となる。 本書『不安の書』は、ペソアが長年にわたり構想を練り、 書きためた多くの断章的なテクストからなる 虚構上の著者、帳簿係補佐ベルナルド・ソアレスの魂の書である。 紹介者フェルナンド・ペソアの序 第1部 ベルナルド・ソアレスの序論(断章) 第2部 告白 1 生前ペソアにより刊行されたか、あるいは そのために準備されたテクスト 2 予め準備されたのではないが 年代順に配置されたテクスト 3 日付のないテクスト 第3部 題名のある文学的なテクスト 1 生前に詩人の発表したもの 2 年代順のもの 3 日付のないもの 【増補】 結婚に失敗した女性への助言(1) 結婚に失敗した女性への助言(2) 結婚に失敗した女性たちへの助言(3) 効果的に夢見る方法(1) 効果的に夢見る方法(3) 形而上学に従って効果的に夢見る方法 フェルナンド・ペソアと『不安の書』(高橋都彦) 訳者あとがき 断章集 2019/08/06 発売
島原の乱のあと、厳しくなった迫害をのがれて、長崎の外海地方から五島列島へ移住してきた隠れキリシタン。明治の初め、その七代目の子孫として生まれたミツは、母、弟との貧しい生活の中で、十六歳になった。ミツのいいなずけの幸吉は、ひそかに洗礼を受けに行った長崎からの帰途、役人にとがめられ、海に捨てられたロザリオを探すために海に入り…芥川賞作家の文学的原点を昇華させた長編小説! 2019/10/08 発売
元警察犬のマサは、蓮見家の一員となり、長女で探偵事務所調査員・加代ちゃんのお供役の用心犬を務めている。ある晩、高校野球界のスーパースター・諸岡克彦が殺害された。その遺体を発見した加代ちゃん、克彦の弟である進也、そしてマサは事件の真相を追い始めるが…。幅広いジャンルで活躍し、わが国の文壇を代表する作家の一人である宮部みゆきの記念すべき長編デビュー作。 2019/11/11 発売
「美少年シリーズ」第10作目、遂に刊行! 眉美以外、全員行方不明になった美少年探偵団。眉美は彼らを探すため、手始めにメンバーの家族、リーダー双頭院学の兄にして美少年探偵団の創設者である、双頭院踊のもとを訪れる。そこで踊からあるアドバイスを受ける。「美術室へ戻れ」とーー。眉美はメンバーを見つけ出せることができるのか? 最後の事件が遂に始まる! 2019/11/22 発売
謎を解き、きみが笑えば大団円だ! 西尾維新史上、もっとも光かがやく団(チーム)--美少年探偵団の活躍を描く「美少年シリーズ」、ここに終幕! 2019/12/20 発売
時間に追われる現代人よ!怠け者で何が悪い!? 四十歳を迎えた小説家・本間宗介は、ロシアの小説『オブローモフ』の主人公のように「怠け者」として生きることを望んでいた。しかし、妻子とともにマンモス団地に暮らす彼に、そのような生活は許されない……。父親として大人として逃げられない数々の日常の「事件」をユーモラスに描いた著者初の長編小説。50年前の連載時に掲載された山野辺進による15点の挿画を再録! 「みんながみんな立派な大人になるわけでもない。そういうことを知っておくのは、心おだやかに齢を重ねていく上で、とても大事なことだ」--巻末解説:荻原魚雷(文筆家) ▶︎オブローモフ【Oblomov】:ロシアの作家ゴンチャロフの長編小説。1859年発表。貴族青年の主人公オブローモフの、才能はあるが無気力で怠惰な余計者の生活を、進歩的な娘オリガとの恋愛を通して描く。以後、オブローモフの名は怠け者の代名詞となった。(以下略)--『大辞林」第三版より ◉もくじ ●四十歳のオブローモフ 《眠り男》の眼 マンモス団地の日常 誕生日の前後 旅の空 根無し草 前厄祓い 捨て犬 後記 ●解説『大人になりきれない大人のための教養小説』荻原魚雷 2020/04/21 発売
バロネス・オルツィの「隅の老人」、ジャック・フットレルの「思考機械」と並ぶ“シャーロック・ホームズのライバル”「マーチン・ヒューイット」。原書4冊に収録されたシリーズ全25作品を1冊に集成! 本邦初訳作品も多数! 初出誌の挿絵165点を完全収録! 初出誌と単行本の異同もすべて記録! マーチン・ヒューイットは、ホームズの「ライヴァル」というよりも、ホームズ・シリーズが「最後の事件」をもって「ストランド・マガジン」の連載を終了したあと、その穴を埋めるべく連載が始まったものなので、「シャーロック・ホームズのピンチヒッター」と呼んだほうがいいのかもしれない。挿絵も、ホームズと同じくシドニー・パジェットが担当し、描かれたマーチン・ヒューイットの姿形がホームズの兄マイクロフト・ホームズにそっくりで、しかも氏名の頭文字がどちらも「M・H」だったので、二人は同一人物なのではないかという奇説まで飛び出した。 マーチン・ヒューイット・シリーズは、全四冊の単行本からなっている。 幸い、すべての作品がこれら四冊の単行本に収録されているので、多くが単行本未収録だった「思考機械」とは違って、楽に作品を蒐集することができた。また「隅の老人」のような大幅な書き換えもなく、三つの中では訳出する上で一番苦労が少なかったかもしれない。だが、最初の二冊の収録作には既訳が多くあるものの、あとの二冊はほとんど手つかずで、特に『赤い三角形』は本書がすべて本邦初訳である。(平山雄一「訳者解説」より) 『マーチン・ヒューイット、探偵』レントン農園盗難事件/サミー・スロケットの失踪/フォガット氏事件/ディクソン魚雷事件/クイントン宝石事件/スタンウェイ・カメオの謎/亀の事件『マーチン・ヒューイットの事件簿』蔦荘の謎/ニコバー号の金塊事件/ホルフォード遺言状事件/失われた手の事件/レーカー失踪事件/記憶喪失の外国人事件『マーチン・ヒューイットの冒険』ゲルダード氏の駆け落ち事件/故リューズ氏事件/セットン夫人の子どもの事件/「コウモリ槍騎兵隊」事件/死んだ船長の事件/ワード・レーンの礼拝堂事件『赤い三角形』サミュエルのダイヤモンド事件/ジェイコブ・メイソン氏事件/レヴァー鍵の事件/納屋の火事の事件/海軍暗号事件/チャネル・マーシュの冒険マーチン・ヒューイットの略歴/訳者解説 2021/06/30 発売
1953年、スターリンが死んだ。神のような指導者の突然の死が、国土を震撼させる。ラーゲリ(強制労働収容所)からは何百万もの人びとがぞくぞく出所してきた。 主人公イワン・グリゴーリエヴィチは自由を擁護する発言を密告され、29年間、囚人であった。かつて家族の希望の星だった青年は、老人となって社会に戻った。 地方都市でささやかな職を得たイワンは、白髪が目立つが美しい女性アンナと愛しあうようになる。彼女には、ウクライナで農民から穀物を収奪し飢饉に追い込んだ30年代の党の政策に、活動家として従事した過去があった。 生涯で一番大事なことを語りあうふたり。しかし……。 帝政ロシアと農奴制に抗した多様な結社からレーニンの十月革命へ、スターリン体制へと至った激動のロシア革命史が想起される。物語とドキュメンタリー風回想と哲学的洞察が小説を織りなす。 作家グロスマンが死の床でも手離さなかった渾身の遺作。「自由の意味を語ることができるのは、自由の恐ろしさを知る者だけである。この認識でグロスマンはドストエフスキーに近づく」(亀山郁夫) 2022/06/20 発売
作家になる夢を捨てきれず、勤めの傍ら小説を書き続ける主人公の男の家に、小中学校の同級生・湯川秀樹が風呂敷包いっぱいの原稿を抱え、「作家になりたいんや」と押しかける。鼠のような目をした湯川は、うすのろぶりを皆に馬鹿にされ続けてきた奴だ。その可笑しな感性を生かし、常人には作り得ない作品世界を作り出せるとしたら…。無能だと思っていた男が、自分が心から欲している才能を隠し持っているかもしれないという期待と嫉妬。湯川のことが頭から離れなくなった男は、いつしか湯川を題材に小説を書き始めるー。表題作「となりの男」ほか3篇、人間の本質に迫る短篇を収録。 2023/02/07 発売